昨日、大阪府公立学校の学力検査があり、その問題が今日公表されていました。地学関係の問題について解説などを書いてみます。 関係するのは理科の問題の4番です。1の(5)も相似相同器官についての問題ですので、進化の問題と関係してきます。進化については、学校では地学として扱わないことが普通です。ここではその慣例に従って、解説しないことにします。
問題文について気になることがありますが、そのことについては次回触れることにします。
4番の問題で最初に、福井県三国港の突堤についての文章がかかれています。
(1)突堤に使われた岩石は何かという問題
問題文には「火山岩」に該当する岩石と書かれていますから、解答欄で該当する岩石は安山岩ありません。
ところで本当のことはどうなんでしょうか。地元での岩石を使っていることが普通なので、近くの岩石を探してみます。東尋坊・越前松島の安山岩や雄島の流紋岩などは入ってきそうです。福井市近郊では足羽石という石材がよく使われています。これも昔は火山岩に分類されていたことがあります。現在では溶結凝灰岩であることがわかっています。これの可能性だってありそうです。
(2)堆積物に関係する問題
1は地層累重の法則から答えることができます。上にあるものほど新しくなります。
2はレキや砂粒の摩耗の問題です。流されるに従って角が取れてまるくなっていきます。
3は粒子の大きさから判断できます
1mmの間に2−4粒入っています 粒子の大きさは0.5から0.25mmで この大きさなら砂粒になります
(3)考察文をどう書くかという問題
直前の「突堤建設による変化」に書かれている内容と同じものは一つしかありませんから、これが答えになります。
ところで、このように考察を書き換えてしまうと「突堤建設による変化」と「考察」の文章が全く同じになってしまいます。これはレポートとしては正しいのでしょうか。同じ文章が2回続けてでてくるというのは気になります。
これ以後は、三国港とは直接の関係がありません。三国港の突堤について出題意図は何だったのでしょう。ただ単に長い文章があっただけのような気がします。
(4)冬の天気についての問題です
1 冬型の気圧配置の別の呼び方です。西高東低といいます。
2 シベリアからの乾燥した空気が北陸地方に到着したときに湿っている理由です
日本海から水蒸気をもらう ですね。
3 湿度が同じなので、水蒸気量は飽和水蒸気量に比例すると考えます。
飽和水蒸気量が4倍だから湿度も4倍です。
4a気圧が低下するのは山を登っているとき
b山を登っているときに水蒸気が雨となって抜けていくので、山を登る前が一番多い
(5) 気圧変化と雲のでき方に関係した問題です
気圧が下がることで、空気が膨張し、温度が下がり、露点に達して霧(露)ができます
2021年03月11日
大阪公立高一般選抜検査 地学関係の問題から
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記
2021年02月28日
2月を振り返って
今日で2月はおしまいです。28日しかないので、というよりコロナで外出できないので何もできないまま日時が過ぎているという感覚です。今日は地震がありました。震央は大阪府の北端付近、マグニチュードは4まではいっていないようです。周囲の震度は1ですが、2くらいに感じました。この前の地震以来揺れが大きくなっているように感じます。
今日で、コロナ対策のためにだされている緊急事態宣言は解除になります。気になっているのは、大阪の解除の基準が大きすぎるのではということです。兵庫・京都あたりと比べるとまだまだ発生密度は大きいようです。沖縄にだされなかったのも不思議です。
もう一つ気になることがあります。今月中旬以来、実効再生産数がじわじわと上がってきていまる。解除の前から、少しずつ気が緩んできているのが原因ように思えます。これで解除したからということで、気の緩みが広がれば感染者は一気に増えそうです。まだまだ気は緩められません。
GOTOの再開はしばらくようすを見るそうです。当然でしょう。完全に解除をしてしばらくようすを見て大丈夫ならようすを見ながら再開というのが手順でしょう。最近、地方での感染者数が増えてきています。人が移動していけばますます増えていきそうです。このあたりも考慮しないと。トラベルの補助金額を段階的に減らすそうです。額がもともと高すぎます。いっそのこと再開直後から見直してもいいのではと思います。様子見の間にじゅうぶん検討して答えを出す余裕はありそうです。
首都圏の4都県は、もう少しようすを見るようです。明日で解除になる府県に比べたら倍くらいの感染者がでています。東京の重症者数は大阪より少ないのですが、気になるのは重症者数が減る数に比べて死者の数が一桁多いということです。重症になっても回復せずそのまま死亡するというのが多いのではと考えたりもします。重症者が入院できていないのかもとも考えます。予定通り7日には解除できるのでしょうか。
五輪の組織委の会長が発言問題にからんで辞任しました。「できないという意見を聞いてみたい」とか、信じられないような言葉を繰り返していました。そもそも、五輪(万博も)は反対の立場です。いろいろな意見があるのを聞いていないという方がおかしいと思います。
代わりの代表が任命されて、玉突きでいろいろな人事が変わりました。11人も組織委に女性が入ったとか。女性ばっかりというのも問題があるような気もします。五輪をやりたいという人ばっかりというのも気になります。もっとも、やるための組織ですから致し方がないのかも。どこかで全体を見る人がいるような聞かします。
まもなく聖火リレーが始まるようです。各地で、有名人のランナー辞退がでてきています。ほとんどが、日程の都合がつかないということだそうです。どの県はいつ走るかは決まっているので、これも変な話です。当たり障りがないように、日程の都合といっているだけのような気がします。
島根県が、聖火リレーをやめると言い出しました。いろいろな所で賛同する意見がでています。反対する意見は少ないようです。
これに対して、与党の派閥の会長が「注意する」と発言しています。注意というのは、その人のやっていることが絶対的に間違っている場合にできる事です。間違ってはいないような気がします。特に五輪反対派の目から見ると強く感じます。世間では、高圧的だということで批判の対称になっていました。
その後の知事との面会で、苦言を呈したといっていました。「知事が決めることではない」とのことです。それなら、国なり組織委が全面的にやればよいのであって、地方自治体に費用を負担させる権利はないはずです。さらに、「コロナ対策と五輪は次元が違う」ともいったそうです。コロナ感染者が増えて国中がてんやわんやになっていても、五輪をするつもりなのでしょうか。
いらない人が一人減ったと思ったら、また一人増えました。
今日で、コロナ対策のためにだされている緊急事態宣言は解除になります。気になっているのは、大阪の解除の基準が大きすぎるのではということです。兵庫・京都あたりと比べるとまだまだ発生密度は大きいようです。沖縄にだされなかったのも不思議です。
もう一つ気になることがあります。今月中旬以来、実効再生産数がじわじわと上がってきていまる。解除の前から、少しずつ気が緩んできているのが原因ように思えます。これで解除したからということで、気の緩みが広がれば感染者は一気に増えそうです。まだまだ気は緩められません。
GOTOの再開はしばらくようすを見るそうです。当然でしょう。完全に解除をしてしばらくようすを見て大丈夫ならようすを見ながら再開というのが手順でしょう。最近、地方での感染者数が増えてきています。人が移動していけばますます増えていきそうです。このあたりも考慮しないと。トラベルの補助金額を段階的に減らすそうです。額がもともと高すぎます。いっそのこと再開直後から見直してもいいのではと思います。様子見の間にじゅうぶん検討して答えを出す余裕はありそうです。
首都圏の4都県は、もう少しようすを見るようです。明日で解除になる府県に比べたら倍くらいの感染者がでています。東京の重症者数は大阪より少ないのですが、気になるのは重症者数が減る数に比べて死者の数が一桁多いということです。重症になっても回復せずそのまま死亡するというのが多いのではと考えたりもします。重症者が入院できていないのかもとも考えます。予定通り7日には解除できるのでしょうか。
五輪の組織委の会長が発言問題にからんで辞任しました。「できないという意見を聞いてみたい」とか、信じられないような言葉を繰り返していました。そもそも、五輪(万博も)は反対の立場です。いろいろな意見があるのを聞いていないという方がおかしいと思います。
代わりの代表が任命されて、玉突きでいろいろな人事が変わりました。11人も組織委に女性が入ったとか。女性ばっかりというのも問題があるような気もします。五輪をやりたいという人ばっかりというのも気になります。もっとも、やるための組織ですから致し方がないのかも。どこかで全体を見る人がいるような聞かします。
まもなく聖火リレーが始まるようです。各地で、有名人のランナー辞退がでてきています。ほとんどが、日程の都合がつかないということだそうです。どの県はいつ走るかは決まっているので、これも変な話です。当たり障りがないように、日程の都合といっているだけのような気がします。
島根県が、聖火リレーをやめると言い出しました。いろいろな所で賛同する意見がでています。反対する意見は少ないようです。
これに対して、与党の派閥の会長が「注意する」と発言しています。注意というのは、その人のやっていることが絶対的に間違っている場合にできる事です。間違ってはいないような気がします。特に五輪反対派の目から見ると強く感じます。世間では、高圧的だということで批判の対称になっていました。
その後の知事との面会で、苦言を呈したといっていました。「知事が決めることではない」とのことです。それなら、国なり組織委が全面的にやればよいのであって、地方自治体に費用を負担させる権利はないはずです。さらに、「コロナ対策と五輪は次元が違う」ともいったそうです。コロナ感染者が増えて国中がてんやわんやになっていても、五輪をするつもりなのでしょうか。
いらない人が一人減ったと思ったら、また一人増えました。
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2021年02月19日
18日大阪公立高校特別選抜検査がありました
昨日公立高校特別選抜の試検がありました。専門学科に入学するための検査です。地学の問題についての解説をします。関係するのは理科の3の問題です。
[I] 河川が作る地形の問題だそうです
(1) 自然に岩石がやわらかくなっていく働きですから、風化作用が答えになります。
2つ目の( )の中は風化作用では文章がつながりませんから、「風化」でいいでしょう。
(2) 土砂についての問題です。
1つ目の( )は、小さな粒子の名前ですから「粘土」が答えですが、
選択肢で近いのは「泥」になります
2つ目の( )は、遠くまで運ばれるのはどのような粒子かという問題です。
なかなか沈まない粒子を考えればいいので、「小さい」が答えになります
(3) 曲がりくねった地層の構造ですからしゅう曲(褶曲)が答えになります。
[II] 地球の水の循環の問題です。1つの場所の中では、出る量と入る量は同じになります
(4) 全蒸発量と書かれていますが、全降水量を100にしたときの割合で答えます。
全蒸発量ですから、蒸発と書かれている数字を全部足します。
86+14=100 になります
(5) 適しているのはどれか
ア 海への降水量は78で陸への降水量は22です
イ 陸から出て行く水の量は蒸発するものと川から流れ去るものの合計です
14+8です
陸に入ってくるものは降水によるものですから14になります
[III] 飽和水蒸気量と湿度の関係についての問題です
(6) 露点温度ですから、飽和水蒸気量が水蒸気量(25)になる温度を読み取ります
(7) 1つ目の( ) グラフを見ます。温度が下がると飽和水蒸気量は小さくなります
2つ目の( ) 湿度は水蒸気量を飽和水蒸気量で割って求めます。
水蒸気量が同じでも、飽和水蒸気量が小さくなると湿度が大きくなります
しっかり勉強してれば普通に解ける問題だと思います。
解答欄は、記号を○するようになったのですね。紛らわしい字で悩まされることはなくなりました。
この場を借りて、大学入試共通テストについて2つほど
第2日程ででていた「同斜構造」は、「単斜構造」というのが一般的です。見かけないはずでした。
グラフを読み取れると地学を知らなくても解ける問題がたくさんあるのはよくないのではと書きました。数学でも同じようなことがあって、ちょっと勘が働けば読まなくても解ける問題だった。と書かれているのを見ました。それに前半の会話とかの余分な文章がやたらと長く、これを読解するのに時間を使ってしまうのはどうかとも書かれていました。たしかに地学でも、あまり使われないグラフの説明で文章が長くなっていたように思います。
[I] 河川が作る地形の問題だそうです
(1) 自然に岩石がやわらかくなっていく働きですから、風化作用が答えになります。
2つ目の( )の中は風化作用では文章がつながりませんから、「風化」でいいでしょう。
(2) 土砂についての問題です。
1つ目の( )は、小さな粒子の名前ですから「粘土」が答えですが、
選択肢で近いのは「泥」になります
2つ目の( )は、遠くまで運ばれるのはどのような粒子かという問題です。
なかなか沈まない粒子を考えればいいので、「小さい」が答えになります
(3) 曲がりくねった地層の構造ですからしゅう曲(褶曲)が答えになります。
[II] 地球の水の循環の問題です。1つの場所の中では、出る量と入る量は同じになります
(4) 全蒸発量と書かれていますが、全降水量を100にしたときの割合で答えます。
全蒸発量ですから、蒸発と書かれている数字を全部足します。
86+14=100 になります
(5) 適しているのはどれか
ア 海への降水量は78で陸への降水量は22です
イ 陸から出て行く水の量は蒸発するものと川から流れ去るものの合計です
14+8です
陸に入ってくるものは降水によるものですから14になります
[III] 飽和水蒸気量と湿度の関係についての問題です
(6) 露点温度ですから、飽和水蒸気量が水蒸気量(25)になる温度を読み取ります
(7) 1つ目の( ) グラフを見ます。温度が下がると飽和水蒸気量は小さくなります
2つ目の( ) 湿度は水蒸気量を飽和水蒸気量で割って求めます。
水蒸気量が同じでも、飽和水蒸気量が小さくなると湿度が大きくなります
しっかり勉強してれば普通に解ける問題だと思います。
解答欄は、記号を○するようになったのですね。紛らわしい字で悩まされることはなくなりました。
この場を借りて、大学入試共通テストについて2つほど
第2日程ででていた「同斜構造」は、「単斜構造」というのが一般的です。見かけないはずでした。
グラフを読み取れると地学を知らなくても解ける問題がたくさんあるのはよくないのではと書きました。数学でも同じようなことがあって、ちょっと勘が働けば読まなくても解ける問題だった。と書かれているのを見ました。それに前半の会話とかの余分な文章がやたらと長く、これを読解するのに時間を使ってしまうのはどうかとも書かれていました。たしかに地学でも、あまり使われないグラフの説明で文章が長くなっていたように思います。
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記
2021年02月05日
共通テスト第2日程地学問題 感想・解法のポイントなど
まず、問題を見て思ったことです。地学基礎でも言えることです。
グラフをどう読み取るかという問題がたくさん出されていました。どれも地学でよく使われるものではありません。どちらかといえば、書かれたようなグラフの読み取りは数学的な知識があると解けるものです。別に地学的な能力は必要ありません。地学の受験勉強をしているしていないに関係なく解ける問題は地学の問題といえるのでしょうか。考えさせる問題というけれども、地学的な知識が必要な問題にして欲しいと思います。
グラフだけではなく図でもおなじです。最初にでていた図の意図が読み取れれば簡単なのですが、理解に苦しむ図です。もっと簡素な図は簡単にできそうです。わかりにくくするのと考えさせるのというのは全く違うはずです。
第1問問5でも、グラフを考えることと地学的思考との関係が不明です。地学的な発想では、調べた結果こういうグラフができたからどう解釈するのかという順番におこなうはずです。物理ならこれでいいのかも。
第3問の地質調査でも、不整合や断層、地層の逆転がないというのを確認するのが目的のはずです。これがわかったときには、褶曲がどうなっているかぐらいはわかっています。「ないとして考えよ」でも、あまりにも出題のための問題ような気がします。
同斜構造という用語は聞いたことがありません。褶曲があるといっているわりに問5で同斜構造というのは矛盾しているようです。あまり狭い地域で構造の変化は考えないのが普通です。4種類の図から選ぶだけなのでとくに断る必要はないでしょう。
問6で、貨幣石、浮遊性有孔虫、デスモスチルスが産出する地層は一連のものとは考えられません。これだけ時代に差があると、どこかに不整合か断層があると考えるのが普通です。主題文の設定とは矛盾します。
地学にあまり詳しくない人が作った問題のように思えます。
各問ごとに、考える上でのポイントなどを書いてみました。
第1問 スケールについての問題と書かれている 言葉に惑わされないように
Aが時間スケール Bが空間スケールらしいです
問1 それぞれの時代の始まりに、陸上や空中に進出していたかがわかっていれば解ける
現象と時代区分を順番に並べるといいだけ、相対尺度となりスケールは意味がない
問2 大きさと時間の長さはだいたい比例するので大きさで考えてよい。
2と3は同じ大きさだが速度が大きく異なる。
問3 単純に転向力の問題。大きさは速度と緯度の正接(sin)に比例。
問4 地球の大きさ(赤道周囲の長さ)がわかっていて、何日かかって一周したかがわかれば解ける
問5 チバニアンに関して出題したようだ。
始まりは松山逆帯磁期からブリュンヌ正帯磁期に移り変わる所
第2問
A地球内部の構成と運動、地震活動に関する問題
問1 正解になるものはすぐわかるはず
問2 発熱量は総量に比例と書かれている
総量は求められるはず
問3 4000万年前はどのような配置になっていたか
最近の動きは新しい時代の火山のみで考える
問4 わざわざグラフにしたのね それも方対数グラフ最近は高校でも使うのかな
コロナ新規感染者数の変化はこれで書いた方がわかりやすいけど
わからなければ強引に値を読み取ってみよう。たとえばM5.7とM7.7
イは二択、明らかに関係ないものがある
B鉱物と鉱床について
問5 黒鉱鉱床は日本海形成時の海底火山噴火によるもの
アルミは風化残留鉱床
1問だけというのは寂しい
第3問
A火成岩と偏光顕微鏡
問1 開放ニコルでは多色性を見る、有色鉱物のみ見られることがある
問2 直交ニコルでは90度回すと白黒が反転する
問3 結晶分化作用でケイ素やマグネシウムはどのように変化していくか
B
問4 走向傾斜の定義
問5 記号から読み取れる傾斜の方向は?
逆転していない場合のクロスラミナのでき方は?
問6 向斜背斜の軸方向は基本的に地層の走向方向
水平面上では背斜だと軸近くが古い地層になる
問7 それぞれの事件の時代は覚えていて当然
第4問
問1 2000mの気温を計算し、その気温のところの位置をグラフの線から求める
問2 一般的なフェーン現象の計算。上昇時はグラフから読み取るだけ
いっそエマグラムにしていてくれたらいいのに
問3 1と3、1と4は矛盾する
問4 図4の遠心力は説明不足(地球が共通重心を公転するときの遠心力)
地球の自転にあわせて人を動かすとどうなるか 極は中心で考える
問5 地球太陽月が一直線上に来るとき(順番問わず)
問6 不思議なグラフを作ってくれました。グラフを読めばいいだけ
第5問 天体についての問題
問1 a分光連星 b前を横切るためには
問2 表面温度が高くなるほど短波長側が明るくなる
問3 (3)何個くっつかないといけないか
問4 太陽の表面温度はいくらか
→グラフを使って表面温度と明るさは太陽の何倍か
→式から大きさを計算
問5 年周視差の説明
問6 ハッブルの法則とは? 距離と後退速度の関係はどうなっているか
問7 太陽系(地球)の値を入れるとKはいくらになるか
惑星Cのみで普通に代入すると求めることができる
惑星ABは確認用
グラフをどう読み取るかという問題がたくさん出されていました。どれも地学でよく使われるものではありません。どちらかといえば、書かれたようなグラフの読み取りは数学的な知識があると解けるものです。別に地学的な能力は必要ありません。地学の受験勉強をしているしていないに関係なく解ける問題は地学の問題といえるのでしょうか。考えさせる問題というけれども、地学的な知識が必要な問題にして欲しいと思います。
グラフだけではなく図でもおなじです。最初にでていた図の意図が読み取れれば簡単なのですが、理解に苦しむ図です。もっと簡素な図は簡単にできそうです。わかりにくくするのと考えさせるのというのは全く違うはずです。
第1問問5でも、グラフを考えることと地学的思考との関係が不明です。地学的な発想では、調べた結果こういうグラフができたからどう解釈するのかという順番におこなうはずです。物理ならこれでいいのかも。
第3問の地質調査でも、不整合や断層、地層の逆転がないというのを確認するのが目的のはずです。これがわかったときには、褶曲がどうなっているかぐらいはわかっています。「ないとして考えよ」でも、あまりにも出題のための問題ような気がします。
同斜構造という用語は聞いたことがありません。褶曲があるといっているわりに問5で同斜構造というのは矛盾しているようです。あまり狭い地域で構造の変化は考えないのが普通です。4種類の図から選ぶだけなのでとくに断る必要はないでしょう。
問6で、貨幣石、浮遊性有孔虫、デスモスチルスが産出する地層は一連のものとは考えられません。これだけ時代に差があると、どこかに不整合か断層があると考えるのが普通です。主題文の設定とは矛盾します。
地学にあまり詳しくない人が作った問題のように思えます。
各問ごとに、考える上でのポイントなどを書いてみました。
第1問 スケールについての問題と書かれている 言葉に惑わされないように
Aが時間スケール Bが空間スケールらしいです
問1 それぞれの時代の始まりに、陸上や空中に進出していたかがわかっていれば解ける
現象と時代区分を順番に並べるといいだけ、相対尺度となりスケールは意味がない
問2 大きさと時間の長さはだいたい比例するので大きさで考えてよい。
2と3は同じ大きさだが速度が大きく異なる。
問3 単純に転向力の問題。大きさは速度と緯度の正接(sin)に比例。
問4 地球の大きさ(赤道周囲の長さ)がわかっていて、何日かかって一周したかがわかれば解ける
問5 チバニアンに関して出題したようだ。
始まりは松山逆帯磁期からブリュンヌ正帯磁期に移り変わる所
第2問
A地球内部の構成と運動、地震活動に関する問題
問1 正解になるものはすぐわかるはず
問2 発熱量は総量に比例と書かれている
総量は求められるはず
問3 4000万年前はどのような配置になっていたか
最近の動きは新しい時代の火山のみで考える
問4 わざわざグラフにしたのね それも方対数グラフ最近は高校でも使うのかな
コロナ新規感染者数の変化はこれで書いた方がわかりやすいけど
わからなければ強引に値を読み取ってみよう。たとえばM5.7とM7.7
イは二択、明らかに関係ないものがある
B鉱物と鉱床について
問5 黒鉱鉱床は日本海形成時の海底火山噴火によるもの
アルミは風化残留鉱床
1問だけというのは寂しい
第3問
A火成岩と偏光顕微鏡
問1 開放ニコルでは多色性を見る、有色鉱物のみ見られることがある
問2 直交ニコルでは90度回すと白黒が反転する
問3 結晶分化作用でケイ素やマグネシウムはどのように変化していくか
B
問4 走向傾斜の定義
問5 記号から読み取れる傾斜の方向は?
逆転していない場合のクロスラミナのでき方は?
問6 向斜背斜の軸方向は基本的に地層の走向方向
水平面上では背斜だと軸近くが古い地層になる
問7 それぞれの事件の時代は覚えていて当然
第4問
問1 2000mの気温を計算し、その気温のところの位置をグラフの線から求める
問2 一般的なフェーン現象の計算。上昇時はグラフから読み取るだけ
いっそエマグラムにしていてくれたらいいのに
問3 1と3、1と4は矛盾する
問4 図4の遠心力は説明不足(地球が共通重心を公転するときの遠心力)
地球の自転にあわせて人を動かすとどうなるか 極は中心で考える
問5 地球太陽月が一直線上に来るとき(順番問わず)
問6 不思議なグラフを作ってくれました。グラフを読めばいいだけ
第5問 天体についての問題
問1 a分光連星 b前を横切るためには
問2 表面温度が高くなるほど短波長側が明るくなる
問3 (3)何個くっつかないといけないか
問4 太陽の表面温度はいくらか
→グラフを使って表面温度と明るさは太陽の何倍か
→式から大きさを計算
問5 年周視差の説明
問6 ハッブルの法則とは? 距離と後退速度の関係はどうなっているか
問7 太陽系(地球)の値を入れるとKはいくらになるか
惑星Cのみで普通に代入すると求めることができる
惑星ABは確認用
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2021年02月04日
共通テスト第2日程 地学問題で思うこと
聞き慣れない言葉がでてくるようになってきました。長い間教科書を見ていないので、最近の動向がつかめていないようです。地学は分野が多岐にわたるので、全てをチェックしきれません。解けない問題が多くなってくると、この講評欄もおしまいにしないといけないようです。
どれのことかというと、第4問にある「極渦」です。成層圏の大気の状態については、ある程度わかり始めた頃の情報は持っています。それから何となく答えることはできます。研究の初期にだされた情報は変わっていることがよくあります。この情報は今でも正しいといわれているのか気になる所です。
それよりも、第1問に使われている「スケール」という用語が気になります。問題文には「地学では長大な時間スケールや広大なスケールの現象を理解・把握する感覚を身につけることが大切である。」と書かれています。何となくいいたいことはわかるのですが、本当にこういういい方をするのでしょうか。「長大な時間にわたって起こる現象や広大な範囲で起こる現象を……」といういい方ではダメだったのでしょうか。意味をわかっているつもりで当然のように使っていますが、そもそもしっかり定義がなされた言葉なのでしょうか。何か釈然としません。
スケールで思い出すのは、スケッチや写真には必ずスケールを入れるようにと注意されたことです。そこで示されているのはどれくらいのサイズの現象なのかということを示しなさいということです。何か代わりになるものでも可です。たとえば人が写っているとかというように。そのわりには本家の写真等にスケールをつけていませんが..。
地学を理解する上で大事なのは、いくつもの階層構造の中で組み立てられていることです。原子の世界、鉱物の世界、岩石の世界、地層の世界、地質区の世界、……といったように。これを間違えるととんでもない答えになることがあります。たとえば岩石の名前を聞いているのに、黒雲母と答えるといったように。黒雲母の標本が花こう岩の標本より大かったりしますから混乱しているのかも。
地図を見るときに、家を探すなら住宅地図、車で出かけるときは道路地図、山の形を知りたいなら地形図といったいろいろな地図を使い分けます。使い道によって便利な縮尺が決まってくるからです。山の地図には、住宅の名前は必要ありません。逆に住宅の地図には山などが入ってきません。地図の縮尺によって書かれている情報が変わっています。
地学でも同じことで、岩石の名前をいうときに元素の構造がどうなっているとか、プレートが沈み込んでいるとかそういった情報は必要ありません。そのレベルに応じた、ものの見方を使いわかることが大事です。
地図には、必ず縮尺が書かれています。だいたいは、適当な長さの棒があって、これだけ離れた場合何kmですというように示されています。これをスケールといっています。このスケールを目安に距離を考えてくださいという意味になります。
地学にはいろいろな階層があります。それぞれにあった大きさを示すスケールが必要なのでしょう。でも、大概は主要な用語を聞いたとたんに、だいたいのスケールが想像出来ているのではないでしょうか。
本文主題部の説明に書かれているスケールの意味は、どちらかというと規模といった方が近いようです。各問も含めて先にいったようなないようで使われているのは、問2のみのようです。他の問題ではわざわざスケールという言葉を使う必要はなさそうです。問題文には大きなものがあげられていますが、実際には、原子のレベルといった非常に小さいものや、地盤の変位によって地震が発生するようすとか隕石が衝突したというような非常に短かい時間も取り扱うこともあります。
出題者が使っている「スケール」とは違うのではという印象を受けます。ここに書いたことが間違っているのかも知れませんが、意味が通る言葉を使っていないと読む側が苦労します。ここでは発生していませんが、問題文のとらえ方が変わってしまうようになっては大問題です。言葉はしっかり選んで欲しいと思います。
第1日程で生物の平均が高いので、調整がおこなわれました。地学受験者に対して、受験者数が少ないということで調整の対象となっていません。地学の平均点が他教科と比べて差がある場合はそれでもいいのですが、この場合は明らかに生物の問題によるものですから、地学受験者に対しても調整が入ってもいいのではないでしょうか。実際には生物が高いのなら、生物受験者から原点する方法でするのが筋のような気がします。
どれのことかというと、第4問にある「極渦」です。成層圏の大気の状態については、ある程度わかり始めた頃の情報は持っています。それから何となく答えることはできます。研究の初期にだされた情報は変わっていることがよくあります。この情報は今でも正しいといわれているのか気になる所です。
それよりも、第1問に使われている「スケール」という用語が気になります。問題文には「地学では長大な時間スケールや広大なスケールの現象を理解・把握する感覚を身につけることが大切である。」と書かれています。何となくいいたいことはわかるのですが、本当にこういういい方をするのでしょうか。「長大な時間にわたって起こる現象や広大な範囲で起こる現象を……」といういい方ではダメだったのでしょうか。意味をわかっているつもりで当然のように使っていますが、そもそもしっかり定義がなされた言葉なのでしょうか。何か釈然としません。
スケールで思い出すのは、スケッチや写真には必ずスケールを入れるようにと注意されたことです。そこで示されているのはどれくらいのサイズの現象なのかということを示しなさいということです。何か代わりになるものでも可です。たとえば人が写っているとかというように。そのわりには本家の写真等にスケールをつけていませんが..。
地学を理解する上で大事なのは、いくつもの階層構造の中で組み立てられていることです。原子の世界、鉱物の世界、岩石の世界、地層の世界、地質区の世界、……といったように。これを間違えるととんでもない答えになることがあります。たとえば岩石の名前を聞いているのに、黒雲母と答えるといったように。黒雲母の標本が花こう岩の標本より大かったりしますから混乱しているのかも。
地図を見るときに、家を探すなら住宅地図、車で出かけるときは道路地図、山の形を知りたいなら地形図といったいろいろな地図を使い分けます。使い道によって便利な縮尺が決まってくるからです。山の地図には、住宅の名前は必要ありません。逆に住宅の地図には山などが入ってきません。地図の縮尺によって書かれている情報が変わっています。
地学でも同じことで、岩石の名前をいうときに元素の構造がどうなっているとか、プレートが沈み込んでいるとかそういった情報は必要ありません。そのレベルに応じた、ものの見方を使いわかることが大事です。
地図には、必ず縮尺が書かれています。だいたいは、適当な長さの棒があって、これだけ離れた場合何kmですというように示されています。これをスケールといっています。このスケールを目安に距離を考えてくださいという意味になります。
地学にはいろいろな階層があります。それぞれにあった大きさを示すスケールが必要なのでしょう。でも、大概は主要な用語を聞いたとたんに、だいたいのスケールが想像出来ているのではないでしょうか。
本文主題部の説明に書かれているスケールの意味は、どちらかというと規模といった方が近いようです。各問も含めて先にいったようなないようで使われているのは、問2のみのようです。他の問題ではわざわざスケールという言葉を使う必要はなさそうです。問題文には大きなものがあげられていますが、実際には、原子のレベルといった非常に小さいものや、地盤の変位によって地震が発生するようすとか隕石が衝突したというような非常に短かい時間も取り扱うこともあります。
出題者が使っている「スケール」とは違うのではという印象を受けます。ここに書いたことが間違っているのかも知れませんが、意味が通る言葉を使っていないと読む側が苦労します。ここでは発生していませんが、問題文のとらえ方が変わってしまうようになっては大問題です。言葉はしっかり選んで欲しいと思います。
第1日程で生物の平均が高いので、調整がおこなわれました。地学受験者に対して、受験者数が少ないということで調整の対象となっていません。地学の平均点が他教科と比べて差がある場合はそれでもいいのですが、この場合は明らかに生物の問題によるものですから、地学受験者に対しても調整が入ってもいいのではないでしょうか。実際には生物が高いのなら、生物受験者から原点する方法でするのが筋のような気がします。
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記
2021年02月03日
共通テスト第2日程 地学基礎問題について
1月30日と31日に共通テストの第2日程の試験がありました。地学関係の出題があったのは31日です。他の記事を書く都合で解説等を載せる機会がなかったので、これからあげていくことにします。今日は、地学基礎の問題について書きます。地学の方は別の問題点が発生しているので、明日出来るかどうか。
全体的にはオーソドックスかなという所です。考える問題をということなのか、回りくどく考えないと解けない問題(第2問問3)とか、こんなグラフを使うのかな(第2問問2)というのもありました。無理矢理くっつけて問題にしたという印象を受けました。
第3問の会話文も質問に関係している言葉が、急に変わってしまっているのについて行けるのかなという心配までしてしまいました。ミスリードにつながる可能性もあったりして。
問題解答のためのヒントやポイントになる所などをまとめてみました。
第1問 A地球の変遷と活動
問1 原始大気の変化
地球は隕石の衝突で高温となっていた→だんだん冷めていく
二酸化炭素は石灰岩として固定される
問2 プレート境界で起こる現象
沈み込み帯=流紋岩質溶岩 火山フロント(海溝と反対側) 地震の発生
問3 地震のマグニチュードとエネルギーの関係
マグニチュードが1大きいとエネルギーは10の2分の3乗倍
発生頻度をグラフから読み取って比較
B地質と生物
問4 露頭スケッチ
基本的には下にあるものの方が古い BCは断層2のずれを不整合面のずれで判断
問5 地史の復元
断層の種類はA層の続きがどこにあるかがポイント
時期はY堆積後Xが堆積するまで 時代は化石の種類で判断
イノセラムスは中生代(主に白亜紀)
三葉虫とフズリナが同時に産出することがあるがまれ(滋賀県多賀付近など)
問6 不整合のでき方
時代に大きな隔たりがあるとき 隆起浸食再堆積が確認できるばあい
C岩石と鉱物の関係
問7 岩石の組織と岩石の名前の関係
片理構造のあるのは結晶片岩 等粒状組織は深成岩
火山れきが集まったものは火山れき凝灰岩という事が多い
問8 鉱物の特徴と原子配列の関係
アは鉱物の重要な性質の1つ 薄く剥がれる鉱物は名前がすぐにでてくるように
自形は、岩石中に鉱物本来の形で含まれていること
第2問 A地球のエネルギー収支
問1 太陽放射と地球放射の違いについて
問2 熱輸送のようすをグラフから読み取る
北向きが正と本文に書かれている(基本的に暖かい所から冷たい所へ向かう)
海洋の輸送量は2本のグラフの差
B大気と海洋の温度
問3 ウは数学の計算 エは主要な高度で気温がわかっているか
100hPaの高度も計算しないと
問4 海洋表層の温度分布がわかっているか
第3問 太陽系について
問1 地球のでき方、地球内部の元素構成がわかっているか
問2 太陽系の物質のほとんどが太陽にあるのでxは自明
xyは2つまで絞り込める 本文を読めばどちらかがわかる
問3 3以外は天体名が言えてもいいのでは
全体的にはオーソドックスかなという所です。考える問題をということなのか、回りくどく考えないと解けない問題(第2問問3)とか、こんなグラフを使うのかな(第2問問2)というのもありました。無理矢理くっつけて問題にしたという印象を受けました。
第3問の会話文も質問に関係している言葉が、急に変わってしまっているのについて行けるのかなという心配までしてしまいました。ミスリードにつながる可能性もあったりして。
問題解答のためのヒントやポイントになる所などをまとめてみました。
第1問 A地球の変遷と活動
問1 原始大気の変化
地球は隕石の衝突で高温となっていた→だんだん冷めていく
二酸化炭素は石灰岩として固定される
問2 プレート境界で起こる現象
沈み込み帯=流紋岩質溶岩 火山フロント(海溝と反対側) 地震の発生
問3 地震のマグニチュードとエネルギーの関係
マグニチュードが1大きいとエネルギーは10の2分の3乗倍
発生頻度をグラフから読み取って比較
B地質と生物
問4 露頭スケッチ
基本的には下にあるものの方が古い BCは断層2のずれを不整合面のずれで判断
問5 地史の復元
断層の種類はA層の続きがどこにあるかがポイント
時期はY堆積後Xが堆積するまで 時代は化石の種類で判断
イノセラムスは中生代(主に白亜紀)
三葉虫とフズリナが同時に産出することがあるがまれ(滋賀県多賀付近など)
問6 不整合のでき方
時代に大きな隔たりがあるとき 隆起浸食再堆積が確認できるばあい
C岩石と鉱物の関係
問7 岩石の組織と岩石の名前の関係
片理構造のあるのは結晶片岩 等粒状組織は深成岩
火山れきが集まったものは火山れき凝灰岩という事が多い
問8 鉱物の特徴と原子配列の関係
アは鉱物の重要な性質の1つ 薄く剥がれる鉱物は名前がすぐにでてくるように
自形は、岩石中に鉱物本来の形で含まれていること
第2問 A地球のエネルギー収支
問1 太陽放射と地球放射の違いについて
問2 熱輸送のようすをグラフから読み取る
北向きが正と本文に書かれている(基本的に暖かい所から冷たい所へ向かう)
海洋の輸送量は2本のグラフの差
B大気と海洋の温度
問3 ウは数学の計算 エは主要な高度で気温がわかっているか
100hPaの高度も計算しないと
問4 海洋表層の温度分布がわかっているか
第3問 太陽系について
問1 地球のでき方、地球内部の元素構成がわかっているか
問2 太陽系の物質のほとんどが太陽にあるのでxは自明
xyは2つまで絞り込める 本文を読めばどちらかがわかる
問3 3以外は天体名が言えてもいいのでは
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2021年01月21日
共通テスト「地学」 感想・解法とか
昨日は記事を書いているうちに遅くなってしまったので、中途半端な形になってしまいました。感想とかの続きです。
センターテストの時は選択問題があったのですが、今回はなくなりました。その分、全ての天文気象地質海洋の分野でまんべんなく勉強していないと高得点が取れなくなっています。計算問題がたくさんでました。絶対等級から星までの距離を求めるのがいいとして、それ以外は妥当なのかは疑問。
アイソスタシーの計算は問題集には必ず載っていますが、これも地学は問題かなという気がします。どちらかといえば数学かな。内容的には中学理科程度のレベルなので何とか許容範囲内です。
震源の深さ求める問題も実際には震央が決定した時点でわかっているのでこのような方法を使うのはあり得ません。現実を見ないで机の上で作られた問題といえるでしょう。
赤方変位から後退速度を求める問題は、完全に物理の問題です。最近の教科書を見ていないので何が書かれているのかはわかっていませんが、式があったとして、それが闇雲に並んでくるのは詰め込みだけのような気がします。
現象を並べたようなものは好きではありません。エルニーニョ現象とか、エクマン流とか古代の超大陸とかたくさんでました。苦手な分野です。個人的な嗜好をいっているときではありませんが。
その他は、いつも通りかな。それほど難しくはなかったようです。以下に、センターテストの時と同じように、解法のヒントのようなものを書いていきます。
第1問 多分野にまたがる問題?
問1 海洋が大気に及ぼす影響
(1) 高気圧に覆われるので、雨が降りにくい。陸地→砂漠
(2) 北海に流れ込んで北ヨーロッパの天候を左右している
(3) 風は冷たいところから暖かいところに向かって吹く
(4) 冬の日本海のひまわり画像
問2 溶融曲線より右側だと岩石が溶けている
問3 アイソスタシーの標準的な計算問題
氷河の重さ=下に入った(高さH)のマントルの重さ
3.0×0.93=3.3×H
問4 エディアカラ動物群は2回目の全球凍結の後
氷河期は年数が合っているかチェック
問5 主系列星の場合、高温な星ほど放射は強くサイズは大きい
第2問
A地磁気の問題
問1 地球の子午線1度の長さは約111km
問2 地磁気発生の原因はどこにあるか
B
問3 至近距離の走時曲線であることに注意
震央での到達時刻から計算する(現実的にはあり得ない)
C隕石地球の化学組成
問4 アは隕鉄の組成と同じ 多形と固溶体の違いは常識
問5 化学組成から地殻はシアル層、マントルはシマ層、核はニフェ層ともいう
第3問
A 広域変成作用
問1 高温低圧型の変成作用についての知識で答える
問2 先に書いたとおり問題があると思います
B 地質図と古生物の問題
問3 走向方向だと同じ高さにでてきます。DはBの真北にあって同じ標高です
問4 地層の逆転がないので高いところあるほど上位の地層になります
傾斜は東向き45度なので、同じ高さで東に10mの所にある凝灰岩層は10m上
(地層を水平に戻すので7mといった方が正しい)
Cは20m東で10m低い所にあるので、10m上
Aは20m西で10m高い所にあるので、10m下
Eは走向方向で30m高い所にあるので、30m上になります
問5 4種の化石とも、示準化石としては教科書的なもの、見分けられるかもポイント
他によく出題されるものとしては、アンモナイト、ゾウ(臼歯か復元図)など
問6 大陸の合体・分離については時代とともに覚えているしかないかな
ロディニアは陰生累代、パンゲアは古生代末、インド大陸の衝突は新生代
このあたりは覚えていないと解けない
第4問
A 天候に関する問題
問1 やませは夏に東北地方にふく冷たい北東の風。しばしば冷害をもたらす
梅雨明けは前線の北上による。前線はジェット気流に沿ってできる
問2 温帯低気圧は、上空の気圧の谷の東側にできる(低気圧から見ればどうなるか)
低気圧に吹き込む暖かい風の例が春一番、冷たい風の例が木枯らし
問3 背の高い高気圧=北太平洋高気圧(地上図では北に寄りすぎているような)
日本列島に張りだしてくるのはいつか。南高北低の気圧配置からもわかる
高層天気図で高気圧がはっきり書かれている図は片方のみ
B エクマン吹送流については転向力との関係がわかっていれば何とか解ける
問4 カ 転向力が右向きだから
キ 南半球低緯度に吹く風の種類と向きは何か。海水が風によって沖合に運ばれるために湧昇がおこる
問5 条件に従ってグラフを見比べるととける
問6 海面の高さは、海流の強さと関係している。
海流は大規模な地球大気の運動によって支配されている=地球の自転と関係
その速度は大陸にぶつかる西側で強くなる(西岸強化)
で、関係ないものはどれ。
問7 エルニーニョ現象からの現象のつながりについて
ペルー沖の海面温度上昇 → 上昇気流の発生(ペルーの降水量増大) → 気圧の低下
→ 貿易風が弱まる → ペルー沖での湧昇の減少 → 海面温度上昇
貿易風が弱まる → 太平洋西部に集まる風が少なくなる → 上昇気流が弱くなる
→ 気圧の上昇・降水量の減少
第5問
A 銀河系と銀河に関する問題
問1 見えない(観測にかからない)からダークマター 引力の作用からわかる
問2 図1から変光周期は30日と読み取れるので図2にあてはめて絶対等級は−5.5
見かけの等級との差は14.5−(−5.5)=20=5×4
明るさは5等級の差で100倍だから1億の1
距離の2乗が明るさと反比例するから、距離は絶対等級測定距離(10pc)の10000倍
問3 aについては常識 b宇宙の年齢より古い光は観測できない
問4 ドップラー効果の計算式は教えているのかな 物理の問題のような
C×Δλ/λ
B 恒星の進化とHR図の問題
問5 イ 主系列星と限定すれば質量・スペクトル型・表面温度のどれでもよいが、
その他の場合でも適用できるのは質量のみ
ロ どちらが散開星団でどちらが球状星団なのかで覚えておく
問6 質量の大きな恒星の寿命が尽きているから、あるいは尽きかかっているから
厳密には、白色矮星やブラックホール、飛び散ってなくなってしまったものもあるはず
センターテストの時は選択問題があったのですが、今回はなくなりました。その分、全ての天文気象地質海洋の分野でまんべんなく勉強していないと高得点が取れなくなっています。計算問題がたくさんでました。絶対等級から星までの距離を求めるのがいいとして、それ以外は妥当なのかは疑問。
アイソスタシーの計算は問題集には必ず載っていますが、これも地学は問題かなという気がします。どちらかといえば数学かな。内容的には中学理科程度のレベルなので何とか許容範囲内です。
震源の深さ求める問題も実際には震央が決定した時点でわかっているのでこのような方法を使うのはあり得ません。現実を見ないで机の上で作られた問題といえるでしょう。
赤方変位から後退速度を求める問題は、完全に物理の問題です。最近の教科書を見ていないので何が書かれているのかはわかっていませんが、式があったとして、それが闇雲に並んでくるのは詰め込みだけのような気がします。
現象を並べたようなものは好きではありません。エルニーニョ現象とか、エクマン流とか古代の超大陸とかたくさんでました。苦手な分野です。個人的な嗜好をいっているときではありませんが。
その他は、いつも通りかな。それほど難しくはなかったようです。以下に、センターテストの時と同じように、解法のヒントのようなものを書いていきます。
第1問 多分野にまたがる問題?
問1 海洋が大気に及ぼす影響
(1) 高気圧に覆われるので、雨が降りにくい。陸地→砂漠
(2) 北海に流れ込んで北ヨーロッパの天候を左右している
(3) 風は冷たいところから暖かいところに向かって吹く
(4) 冬の日本海のひまわり画像
問2 溶融曲線より右側だと岩石が溶けている
問3 アイソスタシーの標準的な計算問題
氷河の重さ=下に入った(高さH)のマントルの重さ
3.0×0.93=3.3×H
問4 エディアカラ動物群は2回目の全球凍結の後
氷河期は年数が合っているかチェック
問5 主系列星の場合、高温な星ほど放射は強くサイズは大きい
第2問
A地磁気の問題
問1 地球の子午線1度の長さは約111km
問2 地磁気発生の原因はどこにあるか
B
問3 至近距離の走時曲線であることに注意
震央での到達時刻から計算する(現実的にはあり得ない)
C隕石地球の化学組成
問4 アは隕鉄の組成と同じ 多形と固溶体の違いは常識
問5 化学組成から地殻はシアル層、マントルはシマ層、核はニフェ層ともいう
第3問
A 広域変成作用
問1 高温低圧型の変成作用についての知識で答える
問2 先に書いたとおり問題があると思います
B 地質図と古生物の問題
問3 走向方向だと同じ高さにでてきます。DはBの真北にあって同じ標高です
問4 地層の逆転がないので高いところあるほど上位の地層になります
傾斜は東向き45度なので、同じ高さで東に10mの所にある凝灰岩層は10m上
(地層を水平に戻すので7mといった方が正しい)
Cは20m東で10m低い所にあるので、10m上
Aは20m西で10m高い所にあるので、10m下
Eは走向方向で30m高い所にあるので、30m上になります
問5 4種の化石とも、示準化石としては教科書的なもの、見分けられるかもポイント
他によく出題されるものとしては、アンモナイト、ゾウ(臼歯か復元図)など
問6 大陸の合体・分離については時代とともに覚えているしかないかな
ロディニアは陰生累代、パンゲアは古生代末、インド大陸の衝突は新生代
このあたりは覚えていないと解けない
第4問
A 天候に関する問題
問1 やませは夏に東北地方にふく冷たい北東の風。しばしば冷害をもたらす
梅雨明けは前線の北上による。前線はジェット気流に沿ってできる
問2 温帯低気圧は、上空の気圧の谷の東側にできる(低気圧から見ればどうなるか)
低気圧に吹き込む暖かい風の例が春一番、冷たい風の例が木枯らし
問3 背の高い高気圧=北太平洋高気圧(地上図では北に寄りすぎているような)
日本列島に張りだしてくるのはいつか。南高北低の気圧配置からもわかる
高層天気図で高気圧がはっきり書かれている図は片方のみ
B エクマン吹送流については転向力との関係がわかっていれば何とか解ける
問4 カ 転向力が右向きだから
キ 南半球低緯度に吹く風の種類と向きは何か。海水が風によって沖合に運ばれるために湧昇がおこる
問5 条件に従ってグラフを見比べるととける
問6 海面の高さは、海流の強さと関係している。
海流は大規模な地球大気の運動によって支配されている=地球の自転と関係
その速度は大陸にぶつかる西側で強くなる(西岸強化)
で、関係ないものはどれ。
問7 エルニーニョ現象からの現象のつながりについて
ペルー沖の海面温度上昇 → 上昇気流の発生(ペルーの降水量増大) → 気圧の低下
→ 貿易風が弱まる → ペルー沖での湧昇の減少 → 海面温度上昇
貿易風が弱まる → 太平洋西部に集まる風が少なくなる → 上昇気流が弱くなる
→ 気圧の上昇・降水量の減少
第5問
A 銀河系と銀河に関する問題
問1 見えない(観測にかからない)からダークマター 引力の作用からわかる
問2 図1から変光周期は30日と読み取れるので図2にあてはめて絶対等級は−5.5
見かけの等級との差は14.5−(−5.5)=20=5×4
明るさは5等級の差で100倍だから1億の1
距離の2乗が明るさと反比例するから、距離は絶対等級測定距離(10pc)の10000倍
問3 aについては常識 b宇宙の年齢より古い光は観測できない
問4 ドップラー効果の計算式は教えているのかな 物理の問題のような
C×Δλ/λ
B 恒星の進化とHR図の問題
問5 イ 主系列星と限定すれば質量・スペクトル型・表面温度のどれでもよいが、
その他の場合でも適用できるのは質量のみ
ロ どちらが散開星団でどちらが球状星団なのかで覚えておく
問6 質量の大きな恒星の寿命が尽きているから、あるいは尽きかかっているから
厳密には、白色矮星やブラックホール、飛び散ってなくなってしまったものもあるはず
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記
2021年01月20日
共通テスト「地学」の問題についての感想とか
先日書いたことからもいえるのですが、いくつかの問題で、専門的に知っている人が作っているのかなというような気がします。
たとえば、第5問の問6について考えてみます。
問題文では、高温の主系列星がない理由を聞いていますから、これだけでは何の問題もありません。気になるのは、このことからこれが球状星団であると書かれている点です。論理の展開が逆のようで引っかかりを感じます。
球状星団と散開星団の違いはいくつかあります。球状星団では赤や黄色の星が多いのに対して、散開星団では青っぽい星がたくさん見られるというのもその特徴の一つです。
ところで、星団の中の星は、地球からの距離がほぼ同じと見なすことができますから、HR図は距離を測定しなくても作成ができます。
実際にHR図を作ってみた所、散開星団と球状星団で図の形が全く違っていることがわかったのです。
一部の散開星団をのぞいて、星団内にはガスがなくなっていますから、星の形成は止まっているものと考えられます。従って、星団内の星は、ほぼ同時にできたと見なすことができます。
HR図を見ると、星がだいぶばらけているヒアデスのような散開星団では主系列星が中心で、青色巨星にあたる部分がなくなっているものがあります。これは赤色巨星に変わり始めていることを示しています。
どのスペクトル型の恒星が赤色巨星に変化し始めているかを、恒星の進化のようすと比べてみることで、星団の年齢を決めることができます。
球状星団ではF型星あたりが赤色巨星に変化していて、古くにできた星団だとわかります。このことは、恒星の中に含まれる重元素の割合から推定される古さとも一致しています。どちらかというと、漠然と球状星団は古いのではと考えられていたものが、HRで裏付けられたという所でしょう。球状星団が古いからHR図はこのような形になるのではなく、HR図がこのようになっているから古い星団だということがわかったと考えるべきです。どうして球状星団が古いといえるのですかと質問されたときにどう答えますか。HR図がこのようになっているからという答えはできなくなります。
散開星団にも青色巨星が赤色巨星に変化しているものがある所を見ると、高温主系列星が赤色巨星に進化しているから、球状星団であるとは言い切れないような気がします。
星団Yが球状星団であるというのは、黄色い星を主体としているということからわかります。このような論理展開は必要ありません。
たとえば、第5問の問6について考えてみます。
問題文では、高温の主系列星がない理由を聞いていますから、これだけでは何の問題もありません。気になるのは、このことからこれが球状星団であると書かれている点です。論理の展開が逆のようで引っかかりを感じます。
球状星団と散開星団の違いはいくつかあります。球状星団では赤や黄色の星が多いのに対して、散開星団では青っぽい星がたくさん見られるというのもその特徴の一つです。
ところで、星団の中の星は、地球からの距離がほぼ同じと見なすことができますから、HR図は距離を測定しなくても作成ができます。
実際にHR図を作ってみた所、散開星団と球状星団で図の形が全く違っていることがわかったのです。
一部の散開星団をのぞいて、星団内にはガスがなくなっていますから、星の形成は止まっているものと考えられます。従って、星団内の星は、ほぼ同時にできたと見なすことができます。
HR図を見ると、星がだいぶばらけているヒアデスのような散開星団では主系列星が中心で、青色巨星にあたる部分がなくなっているものがあります。これは赤色巨星に変わり始めていることを示しています。
どのスペクトル型の恒星が赤色巨星に変化し始めているかを、恒星の進化のようすと比べてみることで、星団の年齢を決めることができます。
球状星団ではF型星あたりが赤色巨星に変化していて、古くにできた星団だとわかります。このことは、恒星の中に含まれる重元素の割合から推定される古さとも一致しています。どちらかというと、漠然と球状星団は古いのではと考えられていたものが、HRで裏付けられたという所でしょう。球状星団が古いからHR図はこのような形になるのではなく、HR図がこのようになっているから古い星団だということがわかったと考えるべきです。どうして球状星団が古いといえるのですかと質問されたときにどう答えますか。HR図がこのようになっているからという答えはできなくなります。
散開星団にも青色巨星が赤色巨星に変化しているものがある所を見ると、高温主系列星が赤色巨星に進化しているから、球状星団であるとは言い切れないような気がします。
星団Yが球状星団であるというのは、黄色い星を主体としているということからわかります。このような論理展開は必要ありません。
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2021年01月19日
共通テスト「地学」の問題について
昨日は、「地学基礎」の問題についての解説をしました。今日はその続きということで「地学」の問題に触れることにします。この中に気になる問題があったので、きょうはこの部分について掘り下げて答えることにします。
該当箇所は、第3問の南極の岩石についての問題の問2です。確認のため問題文のコピーを載せます。
正解として示されているのは、「B紅柱石が珪線石に変化する」です。
岩石の種類は、その特徴から片麻岩と読み取れます。高温低温型の変成作用によってでき、その過程で紅柱石が珪線石に変化します。そのように記述されている教科書もあります。ここで気になるのは下線部(a)の文章です。以下がその文章です。
記述を確認すると、約7×108Paで温度が約850℃に達する変成作用でできたと書かれています。
一般的な片麻岩(高温低圧型変成岩)に比べて圧力が大きいような気がします。確認のためにAl2SiO5鉱物の生成条件を見直してみます。実教出版地学の教科書からのコピーです。
図中には、広域変成岩の変化の過程が黒矢印で書かれています。@が低温高圧型の変成作用で、Bが高温低圧型の変成作用です。図を見る限りでは、Bでは紅柱石が珪線石に変化しています。
ここで、南極の片麻岩のできかたを考えてみることにします。図には下線部(a)に書かれている温度圧力を赤×印で入れています。印の場所はAの矢印の先わずかに上の所になりそうです。図の説明では、Aの矢印は中間型の変成作用と書かれています。
実際の経路については、近くで見つかる変成度の異なる岩石のデータを集めておこないますが、データがないので、一般的にいわれているAの経路とその延長で変成作用が起こったと仮定します。赤×印に達するまでは赤矢印で示します。
線が通っているのは、藍晶石の領域から珪線石の領域になります。つまりこの圧力温度からいえるのは、紅柱石から珪線石に変化したのではなく、藍晶石から珪線石に変化したといえます。
従って、「B紅柱石が珪線石に変化する」は誤りと判定できます。
それでは正しい答えはないのでしょうか。ここでも別の問題があります。最近の教科書の記述では広域変成作用で石灰岩が変成するとどうなるかが書かれていません。古い教科書には結晶質石灰岩になると書かれていたものがありました。
ネットで、飛騨変成岩または飛騨変成帯と結晶質石灰岩で検索をかけるといっぱいヒットします。一部、石灰岩と記述する学者もいるようですが、結晶質石灰岩というのが一般的なようです。厳密には、提示されている圧力・温度条件でどうなるかはわかりませんが、結晶質石灰岩の可能性は高いでしょう。
だとすると、「A石灰岩が結晶質石灰岩(大理石)に変化する」も誤りと断定できません。問題文からは途中でどういう変化が起こっていたか読み取れるからです。少なくとも一般的にいわれている事柄を用いてBを正解にする思考レベルではAは正解にしないといけないでしょう。
ここででてきたAl2SiO5鉱物の相平衡図にしても、普通はこの図が示されていて、そこから温度圧力がどうであったかとか、この圧力温度だとどんな鉱物になるかを答える問題がほとんどです。図も示されずにいきなりどうなっているかという問題が出題されると受験生も戸惑うでしょう。
少なくともいえるのはこの図は完璧に覚えて置くべき図ではないということです。図もなしに三重点の温度圧力はいくらですか等と聞くのは酷というものです。三重点の条件はこの問題を解く上での最低限の知識になります。
これは、出題ミスとかあるいは解答の誤りといっていいレベルだと思っています。
該当箇所は、第3問の南極の岩石についての問題の問2です。確認のため問題文のコピーを載せます。

正解として示されているのは、「B紅柱石が珪線石に変化する」です。
岩石の種類は、その特徴から片麻岩と読み取れます。高温低温型の変成作用によってでき、その過程で紅柱石が珪線石に変化します。そのように記述されている教科書もあります。ここで気になるのは下線部(a)の文章です。以下がその文章です。

記述を確認すると、約7×108Paで温度が約850℃に達する変成作用でできたと書かれています。
一般的な片麻岩(高温低圧型変成岩)に比べて圧力が大きいような気がします。確認のためにAl2SiO5鉱物の生成条件を見直してみます。実教出版地学の教科書からのコピーです。

図中には、広域変成岩の変化の過程が黒矢印で書かれています。@が低温高圧型の変成作用で、Bが高温低圧型の変成作用です。図を見る限りでは、Bでは紅柱石が珪線石に変化しています。
ここで、南極の片麻岩のできかたを考えてみることにします。図には下線部(a)に書かれている温度圧力を赤×印で入れています。印の場所はAの矢印の先わずかに上の所になりそうです。図の説明では、Aの矢印は中間型の変成作用と書かれています。
実際の経路については、近くで見つかる変成度の異なる岩石のデータを集めておこないますが、データがないので、一般的にいわれているAの経路とその延長で変成作用が起こったと仮定します。赤×印に達するまでは赤矢印で示します。
線が通っているのは、藍晶石の領域から珪線石の領域になります。つまりこの圧力温度からいえるのは、紅柱石から珪線石に変化したのではなく、藍晶石から珪線石に変化したといえます。
従って、「B紅柱石が珪線石に変化する」は誤りと判定できます。
それでは正しい答えはないのでしょうか。ここでも別の問題があります。最近の教科書の記述では広域変成作用で石灰岩が変成するとどうなるかが書かれていません。古い教科書には結晶質石灰岩になると書かれていたものがありました。
ネットで、飛騨変成岩または飛騨変成帯と結晶質石灰岩で検索をかけるといっぱいヒットします。一部、石灰岩と記述する学者もいるようですが、結晶質石灰岩というのが一般的なようです。厳密には、提示されている圧力・温度条件でどうなるかはわかりませんが、結晶質石灰岩の可能性は高いでしょう。
だとすると、「A石灰岩が結晶質石灰岩(大理石)に変化する」も誤りと断定できません。問題文からは途中でどういう変化が起こっていたか読み取れるからです。少なくとも一般的にいわれている事柄を用いてBを正解にする思考レベルではAは正解にしないといけないでしょう。
ここででてきたAl2SiO5鉱物の相平衡図にしても、普通はこの図が示されていて、そこから温度圧力がどうであったかとか、この圧力温度だとどんな鉱物になるかを答える問題がほとんどです。図も示されずにいきなりどうなっているかという問題が出題されると受験生も戸惑うでしょう。
少なくともいえるのはこの図は完璧に覚えて置くべき図ではないということです。図もなしに三重点の温度圧力はいくらですか等と聞くのは酷というものです。三重点の条件はこの問題を解く上での最低限の知識になります。
これは、出題ミスとかあるいは解答の誤りといっていいレベルだと思っています。
posted by ヨッシン at 23:53| 雑記
2021年01月18日
共通テスト「地学基礎」問題解説など
昨日、一昨日と共通テストがありました。昨日は、理科の問題が出題されました。今までのセンターテストと同じように、問題解法の解説などを書いてみます。今日は地学基礎について書きます。
少し引っかかりを感じる問題もありましたが、普通に考えれば解ける問題ばかりのようです。センターテストと同じくらいの難易度のようです。
以下各問の考え方等メモ書きです。
第1問
問1 地震に関係した一般常識
(1)マグニチュードと震度の違いはよく出題される
(2)緊急地震速報は、初期微動を検知して遅れてくる主要動を予測している
(3)阪神大震災の時は、震源からの距離に関係なく震災の帯というのができた
(4)津波は海底の形が急激に変化したときにできる。他には海底地滑り、岩雪崩の流入など
問2 地球の形と子午線弧の長さとの関係が理解できているか。
子午線弧の長さは天測によるものと逆になる事に注意
問3 グラフのどの領域に位置するかが読み取れれば答えられる
問4 川の流速が時間の経過ともにどう変化するかがポイント。
流速にあわせて粒度が変化する。
少なくとも川の屈曲部での流速について知っている必要があるが習っているのか?
問5 それぞれの方法が何を調べているかがわかれば解ける。
a化学組成が炭酸塩かどうか b深成岩かどうか
c酸性岩か塩基性岩か(あまり使われることはない)
問6 枕状溶岩の構造まで教えているのかな−−少し疑問 縁辺急冷層を応用すれば解ける
白っぽい部分が溶岩流の本体で、
黒いところ(こんなにはっきりしていない)が積み上がった溶岩のすきまで、
ここに海水中の成分が濃集している(オパールや碧玉があることも)
問7 基本的に意味不明 玄武岩のデータばかりあっても意味がないのはわかるが..
温度をそろえて、温度による影響がでないようにするのか..
(岩質と溶岩(流)の温度は関係している!)
ここで手を打つしかないか
第2問
問1 この時間内での名古屋港での気圧低下はいくらかがわかれば、比例計算で求められる
問2 データをどのようにして求めたのかは疑問であるが、正しいものとして考える
湾の形に対して風向風速の変化から理論的にどうなるかを考えてみる
大阪=風向き開口部方向→横断方向 名古屋=風向一定・風速は大になる
御前崎=大きな変化なし
問3 雲は太陽放射を地表に届けない代わりに、上空の熱を地表に届ける働きがある
・・といいたいのか
この働きを担っているのは主に上空の水蒸気である
(一般的に雲があると放射冷却は少ないといわれているからこれでもいいのか)
問4 (1)(3)(4)温室効果についての一般常識。(2)が無関係
第3問
問1 恒星としての太陽の位置づけは基礎
問2 宇宙のでき方と年齢から何となく答えはわかる
問3 それぞれの天体の形特徴がわかっていれば簡単
問4 図から星像の半径を読み取り、面積を求める。天文学の手法なのか疑問
少し引っかかりを感じる問題もありましたが、普通に考えれば解ける問題ばかりのようです。センターテストと同じくらいの難易度のようです。
以下各問の考え方等メモ書きです。
第1問
問1 地震に関係した一般常識
(1)マグニチュードと震度の違いはよく出題される
(2)緊急地震速報は、初期微動を検知して遅れてくる主要動を予測している
(3)阪神大震災の時は、震源からの距離に関係なく震災の帯というのができた
(4)津波は海底の形が急激に変化したときにできる。他には海底地滑り、岩雪崩の流入など
問2 地球の形と子午線弧の長さとの関係が理解できているか。
子午線弧の長さは天測によるものと逆になる事に注意
問3 グラフのどの領域に位置するかが読み取れれば答えられる
問4 川の流速が時間の経過ともにどう変化するかがポイント。
流速にあわせて粒度が変化する。
少なくとも川の屈曲部での流速について知っている必要があるが習っているのか?
問5 それぞれの方法が何を調べているかがわかれば解ける。
a化学組成が炭酸塩かどうか b深成岩かどうか
c酸性岩か塩基性岩か(あまり使われることはない)
問6 枕状溶岩の構造まで教えているのかな−−少し疑問 縁辺急冷層を応用すれば解ける
白っぽい部分が溶岩流の本体で、
黒いところ(こんなにはっきりしていない)が積み上がった溶岩のすきまで、
ここに海水中の成分が濃集している(オパールや碧玉があることも)
問7 基本的に意味不明 玄武岩のデータばかりあっても意味がないのはわかるが..
温度をそろえて、温度による影響がでないようにするのか..
(岩質と溶岩(流)の温度は関係している!)
ここで手を打つしかないか
第2問
問1 この時間内での名古屋港での気圧低下はいくらかがわかれば、比例計算で求められる
問2 データをどのようにして求めたのかは疑問であるが、正しいものとして考える
湾の形に対して風向風速の変化から理論的にどうなるかを考えてみる
大阪=風向き開口部方向→横断方向 名古屋=風向一定・風速は大になる
御前崎=大きな変化なし
問3 雲は太陽放射を地表に届けない代わりに、上空の熱を地表に届ける働きがある
・・といいたいのか
この働きを担っているのは主に上空の水蒸気である
(一般的に雲があると放射冷却は少ないといわれているからこれでもいいのか)
問4 (1)(3)(4)温室効果についての一般常識。(2)が無関係
第3問
問1 恒星としての太陽の位置づけは基礎
問2 宇宙のでき方と年齢から何となく答えはわかる
問3 それぞれの天体の形特徴がわかっていれば簡単
問4 図から星像の半径を読み取り、面積を求める。天文学の手法なのか疑問
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記