久々に、星の観察記録を報告します。観察分を報告し終えるまでは続ける予定です。前回は4月7日号で4月4日分まで報告済です。
報告を始める前に機材や撮影方法について述べておきます。これ以外の設定の場合は、その都度記載します。まず望遠鏡です。普段は PentaxEDHF を使用しています。口径は105mm、焦点距離は700mmです。これに1.4倍のテレコンバータをつけてPentaxKPで撮影しています。鏡筒とカメラの取り付け方向との関係で下が西を向くようになっています。太陽を撮影する場合は、鏡筒の前にアストロソーラーフィルターを取り付け10万分の一の明るさに減光しています。太陽の場合は写っている黒点が見づらいということがあり、辺で45%(面積で20%)程のトリミングした上で、左回転させコントラストをわずかにあげています。この処理で下が南側を示すことになります。
カメラによる固定撮影の方法です。三脚にそのまま載せていますから下が重力方向になります。これと違ったうえで地面が写っていない場合は向きを記載することにしています。カメラはPentaxK50かK30になります。レンズは基本的に、18-135mmズームか55-300mmズームのどちらかです。国際宇宙ステーション等の撮影では、3秒間隔で撮影した写真を比較明合成しています。
空が明るいことが多いので画像処理を加えることがあります。その場合は、同一画像を、ネガにし、さらに30pxのガウスぼかしをかけた状態で48%で透過させ、結合した画像をトーンカーブを使って明るさコントラスト調整をしています。
前置きが長くなりました。記録の報告をします。7日まではずっと曇っていました。次は8日からになります。太陽です。西側から東西に並んだ黒点が出現してきました。
月です。満月を過ぎウサギの耳の片側がかけています。月齢は17.8です。
9日です。太陽です。東側から出現した黒点の周囲にある白斑が目立たなくなっています。
少し天気がよかったのでシリウスBが見えないかと大きな方の望遠鏡をだして観察してみました。鏡筒はC14です。D356mmf3910mmです。写してみた写真です。右下の光点がはっきり見えるので写っていると思いましたがぬか喜びでした。シリウスのゴーストでした。望遠鏡をずらすと像のできる位置が変わってきます。
左斜め下に星が一つ写っています。シリウスBはこれとだいたい同じくらいの明るさです。シリウスBがどれくらい離れているかというと、この星までの距離の約50分の1になります。測ってみると白く写っている部分の中に入ってきます。
少し露出を落としたものです。これでも、シリウスの白い円の外側に出てくるかどうかというところでしょう。こんどは、左ななめ下の星が目立たなくなっています。
カメラの録画機能を使って録画しそれから今はやりのスタックとかウェーブレットとかの処理をしてみました。処理後の画像を強拡大したものです。それらしい位置が何となく明るくなっています。写ってくれたのでしょうか。
主星からの位置を確認するためにリゲルを入れてみました。この頃にはだいぶ高度が下がりどこにあるのかもわからなくなっています。大気差の影響でかなり虹色に伸びています。これでは、伴星の確認は無理でしょう。
接眼レンズに入れ替えて直接見た状態でもシリウスBはわかりませんでした。リゲルが肉眼で確認できなかったことから、空が明るすぎたのが原因のように思われます。暗くなってから見始めたときでも高度が下がっていてすぐに沈んでしまう状態なので、4月に入ってからではシリウスBを見るのは困難なように思えます。
望遠鏡をだしたついでに、近くにあった金星も写しています。十日夜くらいの月と同じ形かな。これも色ずれを処理しています。
月です。シリウスを見始めた頃にはまだ昇ってきていませんでした。夜中にあがってきたときのものです。月齢は18.9です。