2022年04月06日

星の記録 4月6日号 シリウス

 シリウスは全天で一番明るい恒星です。この星には、白色矮星の伴星(シリウスBと呼ばれています)があることが知られています。主星に近いこと、光度差が大きいことから一般には見えないといわれています。シリウスBの軌道は楕円形をしていて50年ほどの周期で主星の周りを公転しています。ここ2〜3年の間は主星から最も離れ見やすくなっているのではといわれています。一応、口径20cm以上の望遠鏡で200倍程度の倍率なら見えるのではといわれています。挑戦してみる価値はありそうです。何度か試してみました。
 すぐ近くにあるオリオン座のリゲルも2重星でシリウスの場合と同じくら離れたところにリゲルBという伴星が見られるようです。リゲルの方が明るさの差が小さいので伴星を見つけやすいのではとされています。3月15日に小さい方の望遠鏡で、このリゲルBが見えるかを試してみました。結果は×でした。一応写真は写していますが、当然写っていません。
リゲル

 16日に、大きな方の望遠鏡をだして見ました。リゲルの伴星は確認できたのですが、シリウスBは見えませんでした。写真に写したのですが写っていません。どちらも写真を撮ったのですが写っていませんでした。これはリゲルの方です。ちょっと、薄雲がかかっていた影響があったのかも知れません。
リゲル

 27日は雨が降っていましたが昼から晴れてきて、空の透明度が上がっていました。星を見る前に、光軸がわずかにずれているのを修正してからにしました。最後の追いこみがなかなかうまくいかず1時間近くかかってもはじめよりはちょっとましかなという程度にしかあわせられませんでした。それでもリゲルBの方はしっかりと見え写真にも写っています。上が北です。
リゲル

 シリウスBはかろうじて見えていたようです。写真には写りませんでした。リゲルBの写りからするとまだ露出が足りないのかな。それっぽいところに何かあるみたいに見えますが、リゲルに比べて主星に近すぎるようです。
シリウス

 4月4日です。薄雲も比較的少なかったので再び挑戦してみました。光軸合わせをやり直してみました。何とかいいところまではできたようです。まずはリゲルを入れて伴星がみえるか調べてみました。ところがどう見ても見えません。一応写真にとっています。後で見直してみたら、どう見てもこの色はベテルギウスのようです。道理で見えないはずです。色までは気がついていませんでした。
ベテルギウス

 シリウスも写してみたのですがやはり伴星は写らないようです。
シリウス

 最近はビデオで写してそこから処理するのが主流です。古い白黒CCDカメラがあるのでそれでやってみたのですが、こちらでも確認できませんでした。そもそもピントが合っているのかがよくわかりません。
シリウス

 長いこと使っていなかったのでセッティングに手間取ってしまいました。調整のしかたもよくわかりわかっていません。だいぶ時間を使ってしまいました。
 カメラを外してアイピースにつけ替え眼視でみたのですが、シリウスBは見えませんでした。星像が大きくなっています。大きな方の望遠鏡はシュミットカセグレンですが、気温変化で筒の中で気流が乱れて像がぼけるとされています。穴を開けて強制的に換気したという報告も見るのですがそこまでやる勇気はありません。冷えるのがダメなら冷えないようにしたらと開き直って、毛布でくるんでいたのがよくなかったのでしょうか。
 意外とスカッと晴れてくれる日が少なく、なかなかチャンスに巡り会いません。もうまもなく西の空低くになっていきますから、この冬の観測はおしまいになりそうです。それまでにシリウスBは写ってくれるのでしょうか。

posted by ヨッシン at 00:00|