2021年05月31日

5月を振り返って


 緊急事態宣言が再度延長されました。来月20日までの予定です。宣言の効果がでてきたようで、感染者数が減ってきています。ただ沖縄だけはものすごく増えているので要注意です。減ったところでも、人の流れが増えてきているようで、これからじわじわと増え始める可能性はまだ残っています。

 宣言で自粛を始めて、1月ちょっと経つと疲れが出始めるというか、どうしても出歩いてしないといけないことがたまってくるというか、結局は長続きしないようです。それなら、徹底的に外出規制をして人の動きを2週間完全に止め、その後は規制なし、感染者が再び多くなれば徹底的な外出規制の繰り返しの方が、負担が公平化するのではと思ったりしています。
 自粛に無頓着な人はすぐにやめてしまい感染を拡大させ、きっちりしている人に自粛を強いています。

 ここに至っても五輪をやるというのは理解の範囲を超えています。どんどんやる方向で進んでいます。やるために集まった組織が中心になって動いていますから、止めることは前提にないというのが現状なのでしょう。状況を判断しないといけない人たちも一緒になって進めています。
 IOCも、全然状況を把握できていないようです。情報源が政府筋からのものを鵜呑みにしているようにみえます。「多少の犠牲はやむを得ない」といって日本国民に犠牲を強いると読み取れる発言を平気でするようでは問題です。「参加者は多少の制限を受ける」と言い直しているものの、国民の犠牲に比べたら「屁」とか「さざ波」みたいなものです。長くても半月です。選手村での酒類の持ち込みも可能です。

 問題だと思うのは、感染が拡大しないように五輪をやることへの施策が国民に対しておこなってきたことと全く整合性がとれていないことです。特別扱いしているようにしか見えませんし、本当に可能であるように見えません。
 いわれているように、イベントはダメなのにはるかに大きな五輪はやるという矛盾があります。
まだ65才以上で終わっていないワクチン接種を特別に始めるといっています。 PCR検査を毎日やるといっています。ところが1年ほど前には国民のPCR検査を増やすといいましたが全然増えていません。いったことが1年経ってもできていないのに、選手に対してできるのでしょうか。
聖火リレーで群集が密になったら中止するといっておきながら、密になっているのに中止されたところはありません。
 海外から来た人に対する外出規制もほとんど守られていません。口先ばかりで実行が伴っていないのが不信感を増大させています。理由をきちんと説明できないことも問題です。

 大手新聞紙が社説で「五輪は中止」と載せました。正論だと思います。
 ニュースサイトのコメント欄を見ていると、五輪中止の意見がほとんどだったのに、この記事に対しては、新聞社たたきのような発言が主体となっています。五輪に賛成でまともに反論できないから、揚げ足をとっているようにしか読み取れません。中止派はどこにいったのでしょう。この記事が書かれたことによって開催派に回ったのでしょうか。
 オフィシャルパートナーを降りろとか、夏の甲子園はどうするのかとか、五輪をやったときには関係の記事を書くなとか、どうでもいい事柄です。パートナーは過去の契約の話です。適当に距離をとりながら考えていけばいい問題です。場合よっては中で中止をいうこどだってできそうです。
甲子園(そのものも不要と思っています)についても五輪に比べて規模やリスクは知れています。別に考えればいいことです。記事を書くなというのに至っては言いがかりにしか聞こえません。国内で起こっていることを公平に伝えるのは報道機関としての義務だからです。
五輪開催時に紙面や放送時間がそれに埋め尽くされて大事な記事が片隅に追いやられることの方がはるかに問題だと思っています。
 この反論で問題なのはこれに続く論調を出しにくくなることです。中止派で意見に賛成しづらい人は黙っていて欲しかったと思います。続いて第2弾3弾がでてくれないかな。地方紙だけでは心許ない限りです。聖火リレーの録画で「中止」の音声を消して放送した自称公共放送局は無理でしょう。このことだけでも使命を忘れているのがわかります。

 五輪に関する世論調査では、開催派が少し盛り返しています。東京での集計だからなのか、ワクチン接種がちょっと進んだからなのか、分析されている報道は見ていません。強行して感染が拡大するのかそれとも何も起こらないのか何ともわかりません。6月1日に緑のたぬきがちゃぶ台返しをするとのではという憶測が飛び交っています。どうなるのでしょう。

 五輪を中止すると、経済損失が1.8兆円という試算が出されています。でもこの数値をよく見ると、五輪をやった場合に比べてこれだけ損をするという数字と書かれています。これって損失といっていいのでしょうか。とらぬ狸の皮算用をしてそこから損失を求めたのと同じです。こういうことを言い出す経済研究所は大丈夫なのでしょうか。
 この試算は正しくいうのなら、経済損質は0で、やったことによる経済利益が1.8兆円ではないでしょうか。
 この試算の算出根拠だって、やったことによるコロナ感染拡大のリスクは盛り込まれているのでしょうか。五輪をやらせたいために強引に数値を持ち出したにすぎないように見えます。
 五輪をやめたことによって損害賠償が発生するということもいわれています。これに対しては、与党幹事長の発言が的を射ていると思います。賠償請が求すると次に候補として名乗りを上げるところが出てこないと。
 終わった後に無用になるような巨大な競技場を作ること自体ばかげているし、作る能力を持った国や都市も数が知れています。その上に中止になったリスクも負わなければとなってくると二の足を踏むのが普通でしょう。
 五輪自体の意味がもうすでになくなっていると思っています。
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記