2021年04月12日

紅葉の東海三山 番外編5 門の種類 基本形

 門の構造や種類についてみていくことにします。
 門の造りを見たり調べたりしている内に、門の形がどう変化してきたのかが何となくわかるようなきがしてきました。どのように変化してきたのかを考えながら見ていくことにします。
 そもそも、門は建物敷地への出入り口として設けられています。敷地内に侵入されないように、周囲は塀でかこまれます。生垣といったものになることもあります。
 入口がそれだけでは、せっかく出入りできないように周囲を囲ったのが何の意味もなしません。そこで、門には両端を柱で支えられた扉が取り付けられます。これが門の一番単純な形となるようです。

<塀重門>
 塀の一部に2本の柱で支えられた扉が取り付けられている門です。自由に出入りできるところでは、扉がなくなって両端の柱だけが残されている形になります。
 寂光院の総門です。柱と塀の一部だけが作られています。扉はありません。

 こんなものも塀重門といっていいのでしょう。寂光院の参道入り口です。


<石柱門>
 塀重門で、出入りを自由にとしていると、塀を作る意味がなくなって、象徴的に柱だけが残されることがあります。これが石柱門です。
 油山寺驥山門です。柱が2本並んでいるだけです。地面付近まで写すのを忘れていました。


<鳥居>
 吉野ヶ里遺跡では王の屋敷入り口の門に桁をわたして、その上に鳥の模型が並べられていました。鳥には空を飛ぶという特別な力があり、その下をくぐることでその霊力を授かろうということで乗せられていたようです。これが鳥居の原型とされています。鳥が居るから鳥居です。
 大矢田神社雄建社の鳥居です。これだと門のように見えます。手前に2つ並んでいる石灯籠は形態的には石柱門ににています。


<冠木門>
 塀重門で門が大きくなってくると、門の重みで柱が内側に倒れそうになります。これを防ぐために、柱の間に太い桁を渡します。この桁は冠木とよんでいて、このような形の門を冠木門といいます。関所史跡などで見ることがあります。
 尊永寺の門です。寺に入るときに一番最初に見たので総門になるのかな。


<家棟門>
 門の上に切妻型の屋根を乗せたものです。棟門ともいいます。乗せ方としてはいくつかあるようですが、代表的なのは次の2通りです。
 柱を前後に貫通させるように梁を通します。この梁を腕木といいます。柱の頂部に棟木をのせ、腕木の先に渡した桁との間で屋根を支えます。腕木門とよぶことがあるようです。大矢田神社の拝殿の横にあった門です。左側塀の間にある門です。桁なしで直接屋根を支えているようです。

 もう一つは冠木の上に梁を乗せてからその上に本格的に屋根を作るというものです。
 大矢田神社拝殿奥の門です。一番左の切妻型の屋根がそれです。神様が通るところでしょうか。


posted by ヨッシン at 00:00| 雑記