昨日、大阪府公立学校の学力検査があり、その問題が今日公表されていました。地学関係の問題について解説などを書いてみます。 関係するのは理科の問題の4番です。1の(5)も相似相同器官についての問題ですので、進化の問題と関係してきます。進化については、学校では地学として扱わないことが普通です。ここではその慣例に従って、解説しないことにします。
問題文について気になることがありますが、そのことについては次回触れることにします。
4番の問題で最初に、福井県三国港の突堤についての文章がかかれています。
(1)突堤に使われた岩石は何かという問題
問題文には「火山岩」に該当する岩石と書かれていますから、解答欄で該当する岩石は安山岩ありません。
ところで本当のことはどうなんでしょうか。地元での岩石を使っていることが普通なので、近くの岩石を探してみます。東尋坊・越前松島の安山岩や雄島の流紋岩などは入ってきそうです。福井市近郊では足羽石という石材がよく使われています。これも昔は火山岩に分類されていたことがあります。現在では溶結凝灰岩であることがわかっています。これの可能性だってありそうです。
(2)堆積物に関係する問題
1は地層累重の法則から答えることができます。上にあるものほど新しくなります。
2はレキや砂粒の摩耗の問題です。流されるに従って角が取れてまるくなっていきます。
3は粒子の大きさから判断できます
1mmの間に2−4粒入っています 粒子の大きさは0.5から0.25mmで この大きさなら砂粒になります
(3)考察文をどう書くかという問題
直前の「突堤建設による変化」に書かれている内容と同じものは一つしかありませんから、これが答えになります。
ところで、このように考察を書き換えてしまうと「突堤建設による変化」と「考察」の文章が全く同じになってしまいます。これはレポートとしては正しいのでしょうか。同じ文章が2回続けてでてくるというのは気になります。
これ以後は、三国港とは直接の関係がありません。三国港の突堤について出題意図は何だったのでしょう。ただ単に長い文章があっただけのような気がします。
(4)冬の天気についての問題です
1 冬型の気圧配置の別の呼び方です。西高東低といいます。
2 シベリアからの乾燥した空気が北陸地方に到着したときに湿っている理由です
日本海から水蒸気をもらう ですね。
3 湿度が同じなので、水蒸気量は飽和水蒸気量に比例すると考えます。
飽和水蒸気量が4倍だから湿度も4倍です。
4a気圧が低下するのは山を登っているとき
b山を登っているときに水蒸気が雨となって抜けていくので、山を登る前が一番多い
(5) 気圧変化と雲のでき方に関係した問題です
気圧が下がることで、空気が膨張し、温度が下がり、露点に達して霧(露)ができます
2021年03月11日
大阪公立高一般選抜検査 地学関係の問題から
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記