最近話題になったものとしてはチバニアンというのがあります。これもその境界層の一つです。PTバウンダリーがどういう意味があるかというと、ここで地球の歴史上で大きな絶滅事件があったからです。この境界で、古生代から中生代に変わっていきます。
中生代から新生代への変わり目では、大きな隕石が落下したといわれています。ここでは別の事が起こっています。地球上から酸素がなくなったといわれています。
この時代に海底でたまった鉄分を調べてみると違いがあります。二畳紀のものは、酸素が多い状態でたまるので赤い色をした赤鉄鉱(酸化鉄)として含まれています。この赤い色はベンガラ(前回の旅行記:「備中山城」参照)の色です。三畳紀になると、鉄分は酸化されず、黄鉄鉱(硫化鉄)としてたまっています。黄鉄鉱は条痕色(粉の色)が黒ですから、黒っぽい色になって見えます。つまり、岩石の色が、二畳紀から三畳紀に変わったところで、赤っぽい色から黒っぽい色に変わっていきます。
この地層が、各務原市の鵜沼というところの木曽川の川原で露出しています。一度案内してもらっていったことがあります。それが、ここから見ると、木曽川の対岸にあたりになります。正確な場所は覚えていません。覚えているのは、川原に露出していたことくらいです。
その時の写真です。地層が直立していて、左側が赤っぽい色、右側が黒っぽい色に変わっています。左側の人の立っている足元までが二畳紀で、そこから右側が三畳紀ということになります。

この場所を特定したいのですが、何か手がかりはないでしょうか。
バスが犬山遊園の駅前を通過して木曽川沿いに走っているときに川沿いに露出している岩石を写そうとしていました。何とか写った写真です。赤というより緑黒い色をしていますから、これは三畳紀の地層ということになります。

他の手がかりはないでしょうか。バスが木曽川沿いに入った直後に上流側を写した写真(No.17)に山が写っています。この山の形と、むかし写した写真の正面に写っている山は全く同じ形をしています。左手前斜面に見える崖もだいたい同じ位置に同じ形で写っています。それからすると、バスからの写真で山の手前側、川の対岸にあたるところあたりがその候補といえます。写真にはそのあたりの川原のようすははっきりと写っていません。
昔の写真を見ると、左側に建物が写っています。これは、不老の滝前の広場の少し上流側にある、使われていないレストラン様建物のようです。上流側を見るように写されていますから、少なくとも、レストラン様建物よりは下流になるのでしょう。対岸の方向と写真の撮影方向から見ると、不老の滝前広場からバス駐車場までの間の対岸あたりがぴったりきそうです。
不老の滝前の広場からは、川原が見えませんでした。浄水施設があって立入禁止にもなっています。川原に出ることもできませんでした。
バス駐車場まで戻りましたが、この間も対岸は見えませんでした。少し下流側まで行って見ると対岸が見えるところがありました。そこからやや上流側に向かって写した対岸の川原です。何となくそっくりな岩が露出しているようです。右端手前の岩は、向こう半分が赤っぽい色になっています。三人が乗っていた岩のように見えます。

ここから下流側です。空は夕焼け色になっています。木曽川には波がなく、岩山を水面に映していて、幻想的な風景になっています。

道路に沿ってあるヒイラギモクセイの生け垣の前を戻っていると、小さな綿のようなものが舞っているのが見えました。雪虫のようです。トドノネオオワタムシというのが正式名称です。添乗員さんに報告すると雪が降るのですかねと聞かれました。ご存じだったようです。北海道ではそのようにいわれています。
数が少ないのですが、飛んでいるところを写してみました。自動では生垣にピントが合ってなかなか写せません。手動でピンぼけ覚悟で写してみます。比較的よく写っているものです。ピンぼけより、ぶれている方が大きいようです。

葉っぱに止まっているのを見つけました。だいぶ撮影の難易度は下がりましたが、これでもはっきりとは写せていません。だいぶ薄暗くなってシャッター速度が長くなっています。

続く...............