まず、問題を見て思ったことです。地学基礎でも言えることです。
グラフをどう読み取るかという問題がたくさん出されていました。どれも地学でよく使われるものではありません。どちらかといえば、書かれたようなグラフの読み取りは数学的な知識があると解けるものです。別に地学的な能力は必要ありません。地学の受験勉強をしているしていないに関係なく解ける問題は地学の問題といえるのでしょうか。考えさせる問題というけれども、地学的な知識が必要な問題にして欲しいと思います。
グラフだけではなく図でもおなじです。最初にでていた図の意図が読み取れれば簡単なのですが、理解に苦しむ図です。もっと簡素な図は簡単にできそうです。わかりにくくするのと考えさせるのというのは全く違うはずです。
第1問問5でも、グラフを考えることと地学的思考との関係が不明です。地学的な発想では、調べた結果こういうグラフができたからどう解釈するのかという順番におこなうはずです。物理ならこれでいいのかも。
第3問の地質調査でも、不整合や断層、地層の逆転がないというのを確認するのが目的のはずです。これがわかったときには、褶曲がどうなっているかぐらいはわかっています。「ないとして考えよ」でも、あまりにも出題のための問題ような気がします。
同斜構造という用語は聞いたことがありません。褶曲があるといっているわりに問5で同斜構造というのは矛盾しているようです。あまり狭い地域で構造の変化は考えないのが普通です。4種類の図から選ぶだけなのでとくに断る必要はないでしょう。
問6で、貨幣石、浮遊性有孔虫、デスモスチルスが産出する地層は一連のものとは考えられません。これだけ時代に差があると、どこかに不整合か断層があると考えるのが普通です。主題文の設定とは矛盾します。
地学にあまり詳しくない人が作った問題のように思えます。
各問ごとに、考える上でのポイントなどを書いてみました。
第1問 スケールについての問題と書かれている 言葉に惑わされないように
Aが時間スケール Bが空間スケールらしいです
問1 それぞれの時代の始まりに、陸上や空中に進出していたかがわかっていれば解ける
現象と時代区分を順番に並べるといいだけ、相対尺度となりスケールは意味がない
問2 大きさと時間の長さはだいたい比例するので大きさで考えてよい。
2と3は同じ大きさだが速度が大きく異なる。
問3 単純に転向力の問題。大きさは速度と緯度の正接(sin)に比例。
問4 地球の大きさ(赤道周囲の長さ)がわかっていて、何日かかって一周したかがわかれば解ける
問5 チバニアンに関して出題したようだ。
始まりは松山逆帯磁期からブリュンヌ正帯磁期に移り変わる所
第2問
A地球内部の構成と運動、地震活動に関する問題
問1 正解になるものはすぐわかるはず
問2 発熱量は総量に比例と書かれている
総量は求められるはず
問3 4000万年前はどのような配置になっていたか
最近の動きは新しい時代の火山のみで考える
問4 わざわざグラフにしたのね それも方対数グラフ最近は高校でも使うのかな
コロナ新規感染者数の変化はこれで書いた方がわかりやすいけど
わからなければ強引に値を読み取ってみよう。たとえばM5.7とM7.7
イは二択、明らかに関係ないものがある
B鉱物と鉱床について
問5 黒鉱鉱床は日本海形成時の海底火山噴火によるもの
アルミは風化残留鉱床
1問だけというのは寂しい
第3問
A火成岩と偏光顕微鏡
問1 開放ニコルでは多色性を見る、有色鉱物のみ見られることがある
問2 直交ニコルでは90度回すと白黒が反転する
問3 結晶分化作用でケイ素やマグネシウムはどのように変化していくか
B
問4 走向傾斜の定義
問5 記号から読み取れる傾斜の方向は?
逆転していない場合のクロスラミナのでき方は?
問6 向斜背斜の軸方向は基本的に地層の走向方向
水平面上では背斜だと軸近くが古い地層になる
問7 それぞれの事件の時代は覚えていて当然
第4問
問1 2000mの気温を計算し、その気温のところの位置をグラフの線から求める
問2 一般的なフェーン現象の計算。上昇時はグラフから読み取るだけ
いっそエマグラムにしていてくれたらいいのに
問3 1と3、1と4は矛盾する
問4 図4の遠心力は説明不足(地球が共通重心を公転するときの遠心力)
地球の自転にあわせて人を動かすとどうなるか 極は中心で考える
問5 地球太陽月が一直線上に来るとき(順番問わず)
問6 不思議なグラフを作ってくれました。グラフを読めばいいだけ
第5問 天体についての問題
問1 a分光連星 b前を横切るためには
問2 表面温度が高くなるほど短波長側が明るくなる
問3 (3)何個くっつかないといけないか
問4 太陽の表面温度はいくらか
→グラフを使って表面温度と明るさは太陽の何倍か
→式から大きさを計算
問5 年周視差の説明
問6 ハッブルの法則とは? 距離と後退速度の関係はどうなっているか
問7 太陽系(地球)の値を入れるとKはいくらになるか
惑星Cのみで普通に代入すると求めることができる
惑星ABは確認用
2021年02月05日
共通テスト第2日程地学問題 感想・解法のポイントなど
posted by ヨッシン at 00:00| 雑記