2020年12月09日

コロナ政策で欠けていること

 今日もまた、全国の新規感染者数が2800人越えという新記録を作りました。なかなか勢いが止まるようすが見えてきません。最近の内閣の支持率の低下の理由として、政府関係者はGOTO政策が中途半端であると国民が受け取っていると考えているようです。GOTOを一部除外することの有用性がうまく伝わっていないことを問題にしているようです。高齢者の「トラベル」除外が全く意味がないことは前回説明したとおりです。大阪や札幌に行くなといっても、ここからでていく人が感染を拡大する可能性が高いにも関わらず、制限していません。中途半端なのではなく、間違っているからといえます。どうみても、白いものを黒いといって、それを信じてくださいといっているのも同じです。納得してくださいという方が無茶です。物事の判断が正しくできているのでしょうか。
 コロナ政策に限らず、する事がはちゃめちゃな感は否めません。とりあえず、コロナ関係で感じたことを書きます。お隣の中国の報道では、日本は感染抑制をあきらめたとまで書かれています。そう見えて当然です。

思いつきで行動する
 いきなり学校を休校にしたことがその典型ですが、これをした人は別なので置いておきます。それでもいきなりGOTOを言い出したと思ったらいつの間にか始まっていました。どういう手段でどういう状態になったらやるといいのか、始めるためのどういう準備をしてからとか考えなかったのでしょうか。

分析ができない
 感染者が増えているのに、「トラベル」を始めたというのがその典型です。始めてみたものの、東京での感染拡大で東京を除外しなければならなくなったことがありました。きちんと分析できていれば、このようなことはいきなり起こらなかったはずです。
 そもそもこれだけ感染者が増えているのに、いまだにGOTOを推し進めようとしていること自体、分析ができていないことの表れです。

先のことを考えていない
 東京が「トラベル」から除外されたときに、キャンセル料の支払いが問題となりました。コロナがいったんおさまって東京からも旅行ができるようになりました。その後、大阪札幌が自粛区域に入ました。このときでも、前回と同じことを繰り返しています。感染者が増加することがあるということが考えられていないようです。このまま感染者が増えたらどうなるのかもわかっていないように見えます。

計画性がない
 先のことを見通せなければ、計画を立てることもできないのは当然です。感染拡大で中止しないといけなくなった場合、何を目安にするのかがありません。
 いきなり旅行を自粛といわれた人のキャンセル料をどうするかという問題でもどうするのか先に考えておくべきでした。少なくとも中止もありうるということが先に言われていれば、旅行者もある程度戻らなくても納得できるところがあります。
 GOTOはとにかく推し進めることしか考えていないようです。コロナがなかなかおさまらなく景気の回復に効果がないとみると、延長を言い出しています。どれくらいの期間補助を続ければ効果があるか最初に見定められていたうえでも、期間設定がされているべきです。
 中止のことは考えていないのかも知れませんが(これの方が問題がある)、中止しないといけなくなった場合の目安をどうするのかというのもありません。

専門家の意見を聞かない
 一時姿を見なくなった感染症対策分科会の会長が再びマスコミの前にでてくるようになりました。東京医師会の会長も一般向けに発言するようになっています。
 どうしてなのでしょう。この人たちはかなりの危機感がもっていて、それを提言しているにも関わらず、無視するような政策を推し進めているからではないでしょうか。この人たちも世間一般から、ちゃんと提言しているのかということを周囲から言われ困っていると思います。どうしても黙っていられなくなります。

自ら説明しようとしない
 先の専門家たちから提言されたことは、GOTO推進者自らが、このようなことがあったということを説明するのが筋です。そのうえで、こういうことだからこちらの方を推し進めるという説明があって当然です。何の説明もなくGOTO続けますでは、どうしても専門家が出しゃばらないといけなくなります。
 このあたりについては、森加計桜問題の方がはっきりとしています。

投げやり
 感染拡大によって「トラベル」を除外する地域をどこにするかについて、各自治体の首長が考えればいいといました。事業を推進する全責任は実行者にあるはずです。各自治体が勝手にやります、やりませんでは体をなしません。責任を持って、ここは除外しますというべきです。周りからつつかれて、自治体首長に任せるのは責任逃れをしているだけです。

考えが自己中心的
 会見でGOTOを続ける理由として、「国民の命と暮らしを守るために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させる」といっています。国民の暮らしで困っているコロナによる行動制限のことが語られていません。この文を読む限りでは、経済を回復すれば、コロナなどどこかに行ってしまうと考えていると受け取れます。
 その経済も、どうすれば一番効果があるのかを考えず(考えられないと書きましたね)に、闇雲に補助をする事しか念頭にないようです。

身近な人に手厚い
 コロナで打撃を受けたのは地方の900万人の観光関係者と言っています。だからここに、援助をするのだと。でも打撃を受けているのは他にもたくさんいるはずです。あるいはコロナ対策でがんばっている人たちもいます。どうしてこちらにも目を向けられないのでしょうか。
 「トラベル」で一番恩恵に与りそうなのは、大手旅行会社と大旅館です。その他の業者、たとえば民宿を経営している人たちなど、はあまりメリットがなさそうです。
 政府関係者に全国旅行業協会の会長を勤めている人がいるからという国民の憶測はでてきて当然です。

日本語がめちゃくちゃ
 前回書いた「因果関係が断定できない」を「因果関係がない」ととらえて発言するところにそのようすが現れています。エビデンスがないというのもそうです。こういった自分に都合のいいように間違った読み方をしたのは自己中心的になっているからともいえます。この問題についてはコロナ関連ではないですが、「普遍的・総合的に判断した」という説明に顕著に表れています。

posted by ヨッシン at 00:00| 雑記