2020年07月19日

ネオワイズ彗星

 今年の3月に発見されたネオワイズ彗星が明るくなっているとうわさされていました。7月に入ってから予想よりだいぶ明るくなっているという話です。そんなのなら見たいとは思っていました。ここ数年は肉眼で見えるような明るい彗星はやってきていません。いくつかうわさされたものがありますが、腰砕けになってしまいました。
 ネオワイス彗星はどちらかというとあまり期待はしていませんでした。光度の予想が3等程度で、これだと見えるかどうかぎりぎりの明るさです。まだ明るいうちは明け方は苦手な上に、見える方向には高い建物がたくさんあります。西の空にまわってくる頃には5等くらいになっています。これでは全く見えません。写真には写るかも知れません、
 7月の始めにわかったのは、1等星くらいの明るさになっているということです。これで計算し直してみると(といってもプラネタリウムソフトにさせたのですが)、西の空にまわったときでも3等をキープしています。天気さえよければ何とか見えそうです。夕方8時にどの位置にどれくらいの明るさで見えるかを作図させてみました。日没が7時10分くらいですから少し暗くなり始めた頃の空です。
ネオワイズ彗星位置予報

 今日は午前中はよく晴れていました。この天気ならいけそうな予感がします。昼ごろから雲が多くなってきました。その後は晴れ間が見えたり見えなかったりと変わってきました。6時まえくらいから再び雲がなくなってきました。残念なことの北西方向は厚い雲に覆われています。だいたいこの方向には雲が湧いて活きていることがよくあります。無理かなとは思いながらも準備します。
 7時半頃です。相変わらず雲があります。8時過ぎくらいに北西の地平線近くが暗くなってきたように見えます。星は見えません。写真に撮ってみると真っ白に写ります。それでも写している内に雲が薄れてきたように見えます。
雲

 星は全く見えませんから、この方向かなと闇雲にカメラを向けて写しますが、何も写りません。その方向にある建物の明かりのせいかと思い、場所を移動したら偶然、写すことができました。
ネオワイズ彗星

 画像処理をしてみました。コピーした画像を透過して重ねあわせます。この時コピーは大きくぼかしネガにします。これを合成した後コントラストを調整したものです。(他にも複雑な小細工をしています)
ネオワイズ彗星

 コマの部分は青白く写っています。イオンの放出が多いからでしょうか。倍率を上げるためにカメラを動かしたら、再びどこかに行ってしまいました。基準になる星は見えませんし、方角もだいたいでやっています。偶然はいるのを待つしかないようです。星が入ってくるのですがどの星かよくわかりません。
おおぐま座前脚

 時々明るい星も入ってきます。
おおぐま座メラク

 再び、偶然に彗星が入ってきます。わかりにくくなっています。
ネオワイズ彗星

 いったん倍率を落として探し直していたので、再び倍率をあげようとカメラを動かしたら、またどこかわからなくなりました。写っている星と、星図の星と見比べてどこが写っているのかを確認しながら進めます。やっと、どの星が写っているのかが対比できたものです。中央やや左に立てに2つ並んだ星です。
おおぐま座前脚

 ネオワイズ彗星はこの少し下にありますから、カメラをずらして、再び入れることに成功しました。
ネオワイズ彗星

 これも画像処理をしてみました。だいぶ雲が濃くなってきているのがわかります。高度が低くなってきている影響もあります。もう写真でもわかりそうもないので今日の分は終了です。
ネオワイズ彗星

 調べ直してみたら、星が見えていればどうということはない位置関係でした。明るく写っていた星は、北斗七星の桶先の底側の星(メラク)でいつもなら普通(といってもだいぶ苦労します)に見えるはずの星でした。これが見えなかったというのが、手間がかかった原因でしょう。メラクから真っ直ぐ下に降りてくると1つ明るい星があって、その下に2つ並んだ星があります。3つの星の並びは、最初の星の写真に写っていました。3つの星でおおぐまの後に伸びる前脚の上腕部でさらの下ろすと横に並んだ2つの星になります。手の部分にあたります。これが、処理をした写真で彗星の下に写っている2つの星です。星がしっかり見えていたらみつけるまで、どうということない配列でした。おおぐまの手の星と同じ明るさで写っていますから、星のたくさん見えるところでは、肉眼で直接見えたのでしょうね。


 
posted by ヨッシン at 23:59|