境内に入るにはお祓いを受けてからになります。次のお祓いが始まるまで、しばらく時間があります。登るときに聞こえていた太鼓の音は、この1回前のお祓いの時のものだったようです。社務所前のベンチは人でいっぱいです。中の食堂のような所にあったいすを借りてしばらく休ませてもらいます。
お祓いを受けた後、御神酒がいただけます。飲めないので、聞いたみたところ振りだけで足元に流してもてよいとのことです。そのようにしました。穂高で缶ビールを二三口飲んだだけで急性アル中になり、半日動けなかったことがあります。高山では何が起こるかわかりません。もしもの時は一大事です。
終わって神社に向かいます。神社を下から見上げたところです。右側の階段から上がっていきます。

神社神殿です。ふだんはこの前でお祓いを受けるそうです。今日は天気の都合で社務所内になっていました。

一応御前沢も覗いていきます。霧が深く、全く見えていません。斜面にはトウヤクリンドウがたくさん咲いています。

大汝山の方ものぞいて見ましたが、霧が深いのでここまでとします。ここから先の登山届けも出していません。雄山を下りることにします。お祓いの時に、雄山に登るときは登拝、降りるときは下拝と教わりました。これからは下拝になります。
降り始めて、5分ほどしたときに、一の越に着く手前で追い越したツアー団体とすれ違います。早いですねといわれてしまいました。励ます事も兼ねてちょっと多めに、あと10分くらいですといったところ、添乗員さんに後20分いや30分と思ってくださいと訂正されました。一同大笑いです。これで疲れが出なければいいのですが。
下りはひたすら降りていきます。景色も見えませんから、歩くことしかすることがありません。かなりハイペースになっています。降りて行くにつれ、登ってくる人達が増えてきます。一緒に泊まっていた人も何人かすれ違いました。
一の越の手前あたりからは、登ってくる人の列が通り過ぎるまでやり過ごさないといけないという場所が、何カ所かありました。
一の越をすぎると、ほとんど途切れずに人が登ってきます。中に、合羽ではなくポンチョを着ている人がたくさんいます。にわかに買い込んだように見えます。
雪渓の所は、道幅が狭く、やり過ごせるところがないので、通りぬけられるか不安だったのですが、たまたま、2ヵ所とも向こうからの人並みが途切れたのでスムーズに通りぬけられました。
この後は、周りの景色に気を配るだけの余裕が出てきました。といっても遠くのものは見えていません。羊背岩探しになります。相変わらずそれらしき物は見当たりません。

室堂に到着です。がむしゃらに降りすぎました。降り始めてからちょうど1時間です。何かにとりつかれていたのでしょうか。
ここには現存する日本最古の山小屋があります。軒下で雨宿りをしながら休憩と思ったのですが、人がいっぱいで、休む場所がありません。

集合時間までまだ2時間以上あります。ここからの見所としては、玉殿の岩屋と室堂山展望所があります。雨の中はあまり歩きたくはないのですが、ターミナルでは時間をつぶしきれません。羊背岩のこともありますから、室堂山に行ってみることにします。ここから往復で1時間半ほどかかります。
岩をみながら歩いているのですが、はっきりそれといえる物は見つかりません。一番それっぽかった物です。これだとすると、氷河の流れは道を横切るように左から右になります。そのあたりもひっかっかっています。

見つからないまま、山の斜面を登っていきます。途中にはヤマハハコがたくさん咲いていました。

続く..