蘇陽峡は日本のグランドキャニオンと呼んでいるようです。深い谷が延々と続いていることに関係しているのでしょう。もう一つ似ているのは、高いところの方が交通のアクセスがよく、見るには谷を下って行って、登って帰らないといけないということです。登山と全く逆になります。
今横を流れているのが五ヶ瀬川です。このあたりも蘇陽峡といいていいのでしょう。谷幅が広いせいか、あまり深い谷のようには見えません。川原に出たもののこの先は似たような景色でしょう。阿蘇の火砕流も一番古いものの底は見えていません。これより上流側には古い地層が出ていることは期待できませんから、来た道を引き返すことにします。
川の右岸に沿って戻っています。対岸に切り立った崖が見えます。ちょっと上の方に見ますから、阿蘇3火砕流堆積物になるのでしょう。

上から降りてくる道との合流点を過ぎ、さらに進んで行くと火山灰のような地層が見えてきます。このあたりが、阿蘇1火砕流から阿蘇2火砕流までの間にたまったものになります。

発電用導水管のところから道は斜面を下りていくようになります。下って行く途中のようすです。道脇には固そうな岩石が露出しています。阿蘇1火砕流堆積物になります。岩石が硬くなった分、斜面の傾斜がきつくなったので、道は何回かヘアピンカーブになっています。

一番下の発電所前です。ここの岩石も阿蘇1火砕流堆積物です。

白亜紀の岩石が見られると書かれていたので探したのですが見当たりません。下りていくことはできなかったのですが、川底の岩石もまだ火砕流堆積物です。

解説板に書かれていた白亜紀の地層というのは、蘇陽峡沿いの別の場所のようです。それよりも、この写真を整理していたときにおかしな事に気がつきました。五ヶ瀬川の川底に着いてから、川の右岸を下ってきたはずです。そのまま川底を見たら川の水は左から右に流れているはずです。これはどう見ても右から左です。
一瞬何処の写真かわからなくなったのですが、地図を見て納得しました。長崎鼻というのは、五ヶ瀬川と三ヵ所川に挟まれた細長くのびた台地で、その先端の先で2つの川が合流しています。今見えているのは五ヶ瀬川ではなく、三ヵ所川ということになります。
蘇陽峡遊歩道というのは、この三ヵ所川の上流にあるキャンプ場まで続いています。道はここで行き止まりになっています。遊歩道を探しに引き返します。斜面を登りすこし緩やかになったところで、導水管を越えていく道がありました。ここが遊歩道のようです。ちょっとだけはいってみました。そこから見た下流側です。

この足下の谷は、三ヵ所川なので上に書かれていた説明に従うと蘇陽峡ではないことになりますが、この遊歩道は蘇陽峡遊歩道なので、蘇陽峡なのでしょう。グーグルマップはこちら側が蘇陽峡になっています。
このままキャンプ場まで行くと再び戻ってくるのが大変です。ここで引き返すことにします。元の道に出て進んでいったところに水が湧き出している所があるのに気がつきました。水分補給をさせてもらいます。

斜面を登って、展望所まで戻っていきます。何とか見えてきた長崎鼻展望所です。

阿蘇の大規模火砕流は4回出ています。4回目のものが気になるところですが、この付近には見られないようです。展望所の近くに見られるものはそれより新しい時代のローム層です。

続く...............