まず、今回の地震で、何が起こったのかを解析した順番に見ていくことにします。まず地震直後の状態です。記録を残していませんので、説明しやすい範囲で見ていきます。現在の電気温水器付近の天井です。

左側が電気温水器の上部です。真ん中に下がっているのがアコーディオンカーテンです。手前側(向こう側も)はかたい角柱状の金属でできています。ここはカマチといいます。これが曲がっているのがわかります。曲がっている位置は、電気温水器の上部の角に当たっています。地震直後はもっと大きく曲がっていました。この角の部分が電気温水器上部の角の部分にわずかに前に出る位置でひっかかっていました。カーテン下部には洗濯機がもたれかかった状態になっていました。
これで普通に考えられることは、洗濯機が倒れ、カーテンにもたれかかって止まったということです。初めはそう思いました。単純に洗濯機が倒れても、温水器にぶつかる位置ではありません。カーテンも完全にたたまれた状態にあったので、洗濯機にぶつかることはありません。それから考えると、何か変な感じがします。
洗濯機を元に戻して、電気温水器を見ると、わずかにねじれているように見えます。そこで、電気温水器の下部をのぞいて見ました。

写真の下半分は床面です。上端あたりが温水器の底部になります。配管が曲がって通っています。その横に見える金属の金具が左に傾いています。この金具は、温水器を支えている台座です。右奥の方にも同じ形の台座があるのがみえます。こちらは右側に傾いています。左奥のものはほとんど変化がないように見えます。これからすると、左奥の台座を中心にして時計回りの方向に温水器がねじれたことになります。地震直後の状態とあわせて考えてみると、洗濯機がぶつかったのではなく、洗濯機がカーテンを巻き込んで倒れていたところへ電気温水器がねじれるように倒れてきて、カーテンに引っかかって止まったということがわかります。洗濯機がカーテンを巻き込んだのは、カーテンが揺れて、その下部が洗濯機の前に飛び出してきたからでしょう。
何日かしてから、電気温水器の上部をのぞいて見ました。

天井の壁紙が剥がれ、天井の石膏ボードのかけらが散らばっています。ここを触って見ると石膏ボードに横長の穴が開いています。何かがぶつかったように見えます。ぶつかったと考えられるものは、温水器上部奥の方に見える二つの取っ手の内の左側のものになります。ぶつかる位置を合わせてみると、温水器が右斜め前に傾くように倒れてきたことになります。ここで天井にぶつかったのと、先に転倒した洗濯機に巻き込まれたカーテンにぶつかったのとで、それ以上は倒れることはなく台座を曲げたものの元に戻ったことになります。
一応何が起こったのかは見えてきたのですが、もう一つ気になることがあります。温水器右側面が変形していることです。

昨日業者の人に見てもらうと左側が膨らんでいる事がわかりました。今日後部を見直してみると、やはり膨らんでいるのがわかりました。

左側が温水器で右側が壁になります。温水器と壁の間にあるすき間が上部ほど広がっているのがわかります。温水器の右後部角の線と壁との間隔はほとんど一定なので、背面が大きく曲がっていることを示しています。
原因は中のタンクがゆれ動いたことによって、温水器の外側の箱に内側からぶつかって膨らませたことになります。実際の揺れ動きかたは左と後が膨らんでいるのでかなり複雑だったことがわかります。おそらく、中で暴れ回っていたのでしょう。
今回の地震で、隣家の温水器が転倒しました。朝だったので、沸き立てのお湯が満水状態だったはずです。大量の熱湯が撒かれ、水だけでなく温度でも家の中は大変だったようです。我が家はその一歩手前で踏みとどまることができました。これがマンションだと、下や隣の家にまで水がしみ出してきます。水浸しは一軒のみでは終わりません。
話は阪神大震災の時のことになります。この時は、まだ引っ越してきていなかったので詳しいことはわからないのですが。我が家(当時はまだ他人のものですが)の温水器が転倒していたようです。他にも近隣で何軒か同様のことが起こり、この時点でガス湯沸かし器に切り替えた人がたくさんあったようです。
その後、引っ越してきてから、電気温水器を使っているとここから漏水事故を起こりました。おそらく、倒れた温水器を起こして、使っていたものの、地震で配管が損傷していて、それがだんだん広がり漏水につながったと考えられます。この時に電気温水器を取り替えましたが、横の壁に温水器がぶつかって作ったと思われる大きな穴が開いていました。
東日本大震災の時も、調べてみると電気温水器が倒れたという事件は相当数あったようです。
今回も、地震の時には思った以上に、温水器がゆれ動いています。配管や内部のタンクなどにダメージを受けている可能性がじゅうぶんに考えられます。これがいつまた漏水を起こすかわかりません。これを機会にガスに変えることを考えています。今は夏なのでお湯はなくても気にならない(必要量はヤカン類ですぐに沸く)のと、業者は震災の後処理で忙しいく手が回らないので、しばらくして寒くなり始めた頃に取りかかってもらおうかなとも思っています。それまでは、本体の下に丈夫な台を咬ませるのと、水漏れがないか入念にチェックすることにします。
一番思ったのは、電気温水器の構造についてです。本体を支えている足が非常にひ弱です。温水器は満水にすると、400リットルほどの水が入ります。本体の重さとかも含めて考えると、500kg近い(越えるものも)重量になります。これは軽自動車並み(ひょっとするとそれ以上)の重さがあります。これをあの足3本で支えている事が不思議です。どう考えても、地震で倒れてくださいといっているようなものです。倒れなくても、内部のタンクがゆれ動いて配管に損傷を与えている事もあります。内部の水が動き回って揺れるのを防ぐ装置などはつけられていないようです。
住宅については、耐震基準とかが設けられています。電気温水器については、いったん倒れたり足が曲がったりするとたいへんなことになります。軽自動車並みの重量物なので近くにひとがいいればどうなるかとか、中の熱湯が大量にばらまかれたりした場合の事を考えると、住宅以上の耐震性が必要なはずです。実際のところは耐震性は全く考慮されていないようです。この点に限っていえば欠陥商品といっていいでしょう。メーカーのカタログには、どれだけの震度に耐えられるかなどとは書かれていません。
電気温水器をガス湯沸かし器にかえた人の話によると、おいてあった区画がものすごく広くなったとの事です。我が家も洗濯スペースにおかれています。ものすごく場所を取っています。目隠しのカーテンを開けっ放しにすると少し広くなりますが、それでも、作業のスペースがじゅうぶんではありません。
以上のように考えていくと、電気温水器は使ってはいけないとの結論になります。少なくとも、次に挙げるような場合は、使うべきではありません。
1.原子力発電はやめてほしい==夜間電力が安価なのは原子力発電の賜物
2.倹約家である==大量の熱湯を毎日沸かすのでものすごく無駄、
使わなくても電気代は使ったときとほとんど同じ