
わからないものが見つかれば、すぐにUFOとする(未確認飛行物体であるのは間違いないのですが)事がありますが、それはしたくないので慎重に検討することにします。実際には手に負えなかったところもあるので、大阪市立科学館の飯山学芸員の助言をもらっています。
太陽系外のものなら、恒星といっしょに動いて見えますから、線状には写りません。太陽系内、少なくとも地球近傍のものであるのは間違いありません。
まず旅客機でないのは明らかです。旅客機は写真にも点々のついた赤い線となって写っています。
流れ星でしょうか。どんなに長く光っても2−3秒です。もっと線が長くなるはずです。このサイズでは消えてしまっていますが、この中にも1個写っています。静止流星といって、流星がこちら側に向かってきているとしたら動きは小さくなります。流れ星の光っている時間はさらに短くなります。4分間は無理でしょう。流星ではありません。
普通の人工衛星の場合は、流れ星よりは光っている時間は長いのですが、4分間ではもっと動きが大きいはずです。これだけ時間があればほとんどのものは空を端から端まで移動しています。時々明るくなるものもありますが、周期的に繰り返すので他の写真にも写っているはずです。高高度の人工衛星なら動きが遅くなりますが、かなり暗くなるはずで、写真に写るか写らないかのぎりぎりの所でしょう。もっと難点なのは、真夜中ということです。地球の影が空全体をおおっていて、人工衛星に光が当たっていないはずです。影の中心はおうし座にあります。写真では右上隅のちょっと上あたりです。人工衛星とは考えにくいようです・
前日にロシアが静止衛星を打ち上げています。情報がないのですが、静止軌道に乗せるための最後のエンジン噴射としたらどうでしょうか。遠くても明るいかも知れません。その場合は、もうちょっと広がって見えるはずだし、静止位置からは北に離れすぎているそうです。ロシアが日本近くの経度に静止衛星を置く理由もありません。
小惑星とします。まずこれくらい明るいと大騒ぎになります。見ている間で明るさはそんなに変化しません。こちらは明るさの差が大きすぎます。除外していいでしょう。
見えそうなもので、思いつくものは全て除外されてしまいました。何か見落としがないかということで、動きから可能性のあるものを探し直してみることにします。
目的のものは、線状に写っています。移動するものはこのように写りますが、本当に移動しているのでしょうか。恒星の動きに合わせてカメラを動かしています。地面に対して静止していても、東へ動いているように写ります。実際の動きの量と比べると、ほとんど同じという事はいえそうです。地面に対して完全に止まっているかどうかはわかりませんが、静止しているといっていい状態でしょう。ピントが甘いので、断定的なことはいえませんが、明るさが変化しているようにも見えます。
空中でほとんど静止できるものとしては、ヘリコプター・ドローン・気球が考えられます。ドローンを夜間見えない状態で飛ばすことはないでしょう。気球も昼間あげないのに夜間に上げる意味がありませんし、一時だけわずかに明るくする事もありません。ヘリコプターも真っ暗な状態で飛ぶのは危険なので普通は飛ばないでしょう。飛んだとしても、旅客機のように少なくとも赤い点滅灯がつくはずです。
常識的に考えたら何も残りませんが、常識で考えられないことが起こっているのではないかと指摘されました。
見た場所は、与論島です。位置的にはほとんど沖縄です。沖縄といえば米軍基地です。米軍ヘリが、夜間偵察訓練をしていたとするとどうでしょうか。航空識別灯をつけては意味がなくなりますし、規制する法律は米軍には適用されませんから無理につける必要はありません。ほとんど静止しているのも説明がつきます。一番納得のいく答えでしょう。
それでもいくつかの疑問があります。見えた位置は、仰角が60度近くあります。ほとんど見上げる感じといっていいでしょう。与論島の上空でしょう。それくらいの位置にヘリがいるのなら、ヘリの音が聞こえるはずです。はっきりとヘリの音を聞いた記憶がありません。何度か奇妙な音は聞こえてきたことはあります。その時間帯が、この光が見えていた時間帯と一致するのかどうかもわかりません。偵察用ヘリということで、音が小さく他のものと違っていた可能性が考えられます。
この一瞬だけ明るくなった理由です。訓練の合間だったのかも知れません。もう一つ考えられるのは、航空機(赤線となって写っている)が近くを通ったために、危険回避のために点灯したということです。
一時的に明るくなるということで、説明できることがあります。14日の早朝に見えた閃光も米軍航空機(一般でもかまわないが)のライトと見ることができます。写真に一枚だけ写っている光点もそれでしょう。写真は、オリオン座に現れたものです。前後の写真を上下にずらして重ね焼きしています。矢印(横線のように見える)の右側に1つだけある点です。

もう一つ見つけていたのですが、行方不明になっています。それを探しているときに、もう一つ薄暗い状態で低速度で移動するものを見つけました。30分間60枚の写真を合成しています。写り始める前は、雲が広がっていてどこから来たのかはわかりません。

左へ移動しています。高高度人工衛星もこのような写り方をしますが、次の点で該当しません。後半に速度が速くなっていること、高高度人工衛星にしては明るいこと、この時地球の影の中心から30度も離れていないことです。
タグ:星