途中、集落の外れに、名主屋敷跡というところがあります。昨日車で送っていただいた方は、何もないと言っていましたが、念のために確認しておきます。
標識のあったところから坂を下りていくと玉石垣が組まれているのが見えました。きれいに積み上げられています。これだけの玉石をどこから持ってきたのか気になります。青ヶ島には大きな川がないので、河原からというのは考えられません。となると海岸からですが、それも島全体が断崖絶壁に囲まれているので、そこに近づくのさえ容易ではありません。また、集めた石を持って急斜面を上がってくるのも大変です。

そう考えたときに昨日の東台所神社や大里神社の石段を思い出しました。そこも、石の大きさは半分以下だけど玉石で組まれています。昔は、石を海岸から運び上げてくるというのは当たり前だったのでしょうか。
屋敷跡とよばれるところに入ってみると、周りが石垣で囲まれています。玉石でないところもあります。シュロや樹木が生い茂り全体の配置が良くつかめません。どこにどういうようにどれくらいの大きさの建物が並んでいたのか、興味はありますが考えてもようすをつかみきることはできません。

ここは行き止まりのようなので、元来た道に引き返します。戻ったところに、ツマグロヒョウモンの雌がいました。雄よりきれいなように見えます。ある種の毒蛾への擬態なのだそうです。

そのまま道を進み、外輪山内側にまわりカルデラの底に降ります。そのまままっすぐ進むと、噴気孔群のあるところなのですが、もう一本横にある道路沿いを見ていません。寄り道をしていくために少しだけ戻ります。この道からは丸山が間近に見えます。

戻って目的の道路への分岐を過ぎたあたりがオオタニワタリの群生地になっています。標識がありませんので、こことは確定しづらいのですが、森林が茂り林床にオオタニワタリがたくさん生育しているところがありました。樹木に絡みついていたスイカズラが花をつけていました。ジャスミンにも似ているような感じがします。

目的の道路に戻って進むと途中に、島庁跡地と呼ばれる場所も通ります。農地が広がっているあたりがそのようですが、これも遺構らしきものや標識がないので断定はできません。
カルデラ内の農地を見るとちょうど植え替えの時期なのか土がむき出しになっていることが多いのですが、植わっているもので目立つのがヤシのような植物です。簡単にロベと呼ばれています。フェニックスの仲間で、観賞用に販売されているようです。

道ばたのオオタニワタリも何か植え付けたような感じがします。これも観賞用に売られているのでしょうか。

もう少し進むと、きれいな鳥のような花が咲いてる場所に出ました。ストレチア(ストレリチア、極楽鳥花)です。南アフリカ原産の植物だそうです。そんなに数は多くないのですが路端にあるというのは、この付近の気候と関係しているのでしょうか。植えっぱなしになっているような感じです。

ここまで来ると、噴気孔のあるところまではあと少しです。
続く..............