望遠鏡鏡筒は、望遠鏡制作をやめてしまったメーカー(ペンタックス)の物です。買ったときには必要がなかったのでつけていませんでしたが、持ち運びして使おうということで三脚・ファインダーを取り付けることにしました。このときはすでに、やめた後なので、望遠鏡関連の部品を入手することはできなくなっていました。
望遠鏡販売店で相談し、何とか望みの形にすることができるようになりました。鏡筒バンドでちょうど合うものがあって、ビクセンのSX2赤道儀に乗せることができました。ファインダーは少し苦労しました。たまたま、ペンタックスのVSD鏡筒を、ビクセンがライセンス生産しているということで、この部品がつかえるのではということになりました。ビクセンの50mm暗視野照明つきファインダーとファインダー脚、VSD鏡筒用ファインダー脚台座のセットです。
台座の取り付けねじはサイズが小さいのでねじ穴と窪みを削って大きなねじが入るように改造しました。
台座は固定できたのですが、ファインダー脚がうまくとまらず、固定できたと思っていてもいつの間にかぐらついていました。先日は、ねじがかたくなってまわらなくなったので、力を込めて回しているとねじ頭が取れたという事態になりました。
VSD鏡筒も生産をやめたようで、台座の部品も入手できなくなっています。とりあえずのところは、園芸用の針金で縛ることで何とか固定しました。

基本的には、切れたねじを外して、別のねじで固定すればいいようですが、ねじは取れそうにありません。ねじ軸に溝を切ってドライバーで回せばできるかも知れませんが、隙間が狭くうまく切れそうにありません。こちらの方法はあきらめました。
いろいろと考えている内に、不思議なことに気がつきました。台座の固定部の構造です。斜めに写しています。固定するための金具も上に置いています。

これでねじを締めていけばどのようなことが起こるか考えてみました。横断面図で示します。茶色が台座で、色の薄いところが固定金具がはまるところです。緑色が固定金具です。固定金具を差し込んだ状態が中段です。金具が脚にあたる状態になっても金具と台座との間に隙間がどうしてできます。このままねじを締めていけばどうなるかを書いたのが下段です。隙間を埋めるために金具が曲がって入っていくはずです。これだとうまく押さえられそうにありません。

実際にどのようになるのかみてみます。台座に金具を押し込んだ状態です。金具が台座の中にかなり入りこんでいきます。実際には、最初の写真を見てわかるとおり、台座の脚受け部と脚の幅はほとんど同じです。

脚をつけて、金具を押し込んだ状態です。このようにどうしても斜めになってしまいます。ねじのあたり方が不均質になって頭がつけた傷が金具についています。片側ばかりに力がかかることによってねじが斜めに入るようになり、ねじ溝が通りにねじが入れなくなったのが故障の原因と考えられます。

切れたねじを外しても、斜めにならないような対策を考えないといけません。飛び出している部分を削るとか、できる隙間のうち飛び出している部分と反対側を何かで埋めるとかの方法です。ねじが今のところ外せそうにない事であきらめています。さらに改造が必要となると、この方法は考えない方がいいでしょう。何かの問題が発生したときに残しておきます。
別の方法を考えました。台座の角から斜めに穴を開け、そこにねじ溝を切ってねじを通して固定するという方法です。工作箇所が狭いので、どれだけ持ちこたえることができるか不安ですが、やってみることにしました。ねじ溝を切るのは少しだけ小さめの穴を開け、ねじをねじ込んでいけば台座はアルミなので切ることができます。いくつかのねじは使えなくなりますが覚悟の上です。完成したものです。鏡筒に取り付けるねじが入るように改造した跡もみえます。


