2021年04月14日

紅葉の東海三山 番外編6 門の種類 少し大きな門

<三棟門>
 柱と柱の間を「間」といい、それがいくつあるかで建物の大きさを表すことがあります。古代建物で、三間×四間の堀立柱建物とか、大矢田神社の拝殿は三間向拝であるといった使い方をします。
 門を横に広げて大きくしたものがあります。そのまま広げていくのは無理ですから、柱を増やすことになります。左右対称に2本柱を増やすことで、三間の幅を持った門ができます。このような門は三間門といっていいのでしょうが、普通は三棟門といいます。両脇の間の屋根が一段低くなっていることから3つの建物が重なっているように見えることからつけられているのでしょう。
 三棟門の例です。華厳寺の総門です。門では柱に挟まれた入口の数を「戸」で表すことがあります。車道で1戸、両脇の歩道にそれぞれ1戸ずつあります。柱の数とまとめて三間三戸の門ということになります。


<四脚門>
 門の上に乗せる屋根が大きくなってくると、前後に不安定になってきます。倒れないように柱の前後に2本づつ柱を立てて支えた門が作られます。この門では、真ん中にある柱を本柱、前後の支えのための柱を控え柱といいます。控え柱が4本あるということで四脚門(しきゃくもん)または四足門(よつあしもん)といいます。柱は全部で6本になります。
 油山寺礼拝門です。四脚門のように見えます。控え柱が屋根を支えていて、その中に本柱を使って扉が取り付けられているようにみえます。ここの門の特徴は棟瓦側面に菩薩像が彫刻されていることです。
油山寺礼拝門


<高麗門>
 本柱の前後に控え柱を設けて四脚門ができる前に、もう一段階あるような気がします。控え柱が本柱の内側にのみあるタイプの門です。二脚門とよべそうですが調べてもそのような名前はでてきません。二脚型の門としておきます。
 二脚型の門のタイプに2種類の変形版があります。一つは控え柱の上に切妻型の屋根が乗せられたものです。高麗門といいます。名前が高麗となっていますが、日本独自のもののようです。
 可睡斎の総門です。内側から写しています。この方が控え柱に屋根が乗っているようすがよくわかります。

<薬医門>
 二脚門のもう一つの変形型です。本柱と控え柱の4本で屋根を支えるようにしたものです。本柱と控え柱の間に梁を渡し、その真ん中より本柱側に束を乗せてその上に棟木を渡して屋根をつけます。屋根は、本柱側に寄った形で乗ることになります。このタイプの門を薬医門といいます。
 寂光院の山門がこのタイプと説明されていました。本柱と控え柱の真ん中くらいに棟木があるように見えます。

 横蔵寺寺門です。控え柱側にも冠木と平行に桁が乗っています。屋根の位置が本柱側に偏っているため、全体に前にせり出しているように見えます。このタイプのものは他にもいくつか見かけました。

<八脚門>
 三棟門のタイプからも前後に控え柱のついた変形型ができます。八脚門または八足門といいます。
 完全な八脚門は見かけませんでした。かなり変形が加わっていますが、可睡斎の山門がこのタイプのように見えます。控え柱が屋根を支えるようになっていて、両脇の4本の控え柱の間に部屋を設け金剛力士像が置かれています。両脇の屋根が一段低くなっていることから、三棟門としているウェブサイトもあります。




posted by ヨッシン at 00:00| 雑記