2021年04月11日

紅葉の東海三山 番外編4 建物の様式(屋根の飾り)

 建物の飾りに注目することにします。
<千鳥破風>
 屋根の斜面上に、妻面上部に見られる「へ」の字形に屋根を載せていることがあります。妻面で一番高くなっているところを破風(はふ)といいます。妻面で風の影響を一番強く受ける場所です。この破風と同じものが屋根に乗っているという感じになります。お城では、2つ以上並んでいることもあります。これを千鳥破風とよんでいます。妻面上部の破風を千鳥破風というのはあまり聞いたことがありません。屋根側面のもに対しては使われているようです。明かり取りに使われていたのが起源という話も聞いたことがあります。
 尊永寺本堂の例です。

<唐破風>
 三角形ではなく上に緩くカーブして膨らむように盛り上がっている形のものもあります。唐破風といいます。唐と名前がついていますが、日本独自のものだそうです。こちらは屋根の真ん中ではなく先端の軒や庇が作られることが多いようです。屋根全体をこの形にするとしたらかなり大仕事になりそうです。
 大矢田神社の蔵(?)です。庇にしては屋根より大きすぎます。屋根なのかな。
大矢田神社 蔵


<向拝>
 平入りの建物で、入口にあがる石段の部分を覆うように軒を伸ばしていることがあります。前に出ている部分を向拝といいます。向拝の先端が唐破風になっていることもあります。
 寂光院本堂です。


 −−− 飾りについて −−−
<懸魚>
 切妻造や入母屋造の建物の妻面の破風のすぐ下に、彫刻の施された板が飾られていることがあります。この板を懸魚(げぎょ)といいます。元々は火除けのお守りで、魚が彫られていたようです。様々なバリエーションがあって名前もあるようです(覚えきれない)。
 大矢田神社拝殿のものです。猪目懸魚のようです。横にも2つ下がっています。真ん中ものを拝懸魚または本懸魚(おもげぎょ)、横にあるものを降懸魚(くだりげぎょ)または脇懸魚、桁隠しと言います。
大矢田神社 懸魚

 懸魚を固定する棒のようなものが真ん中に突き出ています。これに付随する飾りを含めて六葉といいます。棒の部分が樽の口、飾りは菊座といいます。

<軒飾りなど>
 軒先などにもいろいろな彫り物が見られます。日光東照宮の三猿や眠り猫が有名です。竜はよく見かけます。唐獅子とか色々あるみたいですが今は勉強中です。
 寂光院本堂向拝の彫り物です。竜に着色されています。

 今回覚えたのはかえるまたというものです。確かにかえるの足に似ています。大矢田神社本殿のものです。
大矢田神社本殿 かえるまた


posted by ヨッシン at 23:55| 雑記